BIKE the Way - MTBの楽しみ方 -

趣味の自転車(主にMTB)の楽しみ方を提案するブログです。

MTB 鉄フレーム の メリット デメリット(スチール クロモリ 等々)

先日、某MTB誌を購入したら、鉄フレームの特集が組まれておりました。

私もぼちぼちクロモリフレームには乗ってきましたが、こちらの雑誌に限らず、ちょっと思うことがあったので投稿します。

 

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大昔のMTBはほぼ鉄フレームでした。

次第にアルミのフレーム製造技術が上がり、軽量でコストも下がったことから現在はアルミフレーム主流となっています。

さらに軽量化を狙った製品は、製造コストがかかりますが、設計の自由度の高さと高級感の演出、差別化からもカーボンが多くなっています。

その一方で、最近というかここ10年位?はまた鉄フレームがじわじわと人気が出てきています。

その要因としては、最初は懐古的なものもあったのかと思いますが、フルサススペックのハイテク化が進み過ぎたその反動もあり、ハードテイルの人気の再燃。

フルサスでも厳しいコースを、ハードテイルで制覇するライディングプレジャーを求め、160mmクラスまで飲み込むようなハードテイルフレームが設計販売され人気を得ることになりました。

現在は、26インチから27.5インチ、29インチ、セミファットとその輪は広がり、フルサスとは別にハードテイルフリークが増えています。

そう、このハードテイルムーブメントが、鉄フレームを改めて見直すきっかけになったのです。

リアにはサスペンションが付いていないので、少しでもリアの衝撃を吸収、逃がしてくれるフレーム。

コストとの折り合いが付く素材として、スチールフレーム(主にクロモリ)が再ブレイクすることとなりました。

最近の代表的なものと言えば、火付け役のCHROMAGProduction PriveeSTANTONでしょうか。

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昔から乗っている人にとっては、鉄フレームは主にトレイルバイクやダートジャンプバイク。

 

鉄フレームのメリットとしては、

・アルミやカーボンに比べ、柔軟性があり疲れにくい。

・ペダリングの際、適度なしなり、ウィップがあり、上手く合えばより進む。

・耐衝撃性、耐久性が高く長く乗れる。

 

デメリットとしては、

・アルミやカーボンに比べ、重量が重い

・スタートなどの一発目のかかりはアルミやカーボンに劣る。

・整備、保管状態によっては錆びやすい。

 

・・・などが良く上げられているのではないでしょうか。

 

一般的な鉄フレームの特徴としては、その通りだと思います。

 

鉄と言っても、

・クロモリ(クロームモリブデン鋼:代表的な普及モノは4130)

・タンゲやコロンバスなどの有名ブランド系

・一般ママチャリや入門MTBなどに使われるハイテン鋼

 

・・・など色々です。

4130系は基本鉄の中では柔らかく反発力も特に高いわけではないので、同じ強度を出すためには肉厚を厚めにしているため重くなりやすいが。比較的安価なのが魅力です。

タンゲやコロンバス、カイセイ等は、実際にはさらに細かく性格の違ったチューブを揃えていて、硬く肉薄で反発力の強いレース向きのモノや、アルミの配合量の多いサビに強いタイプのものなどもあります。

 

ハイテン鋼はコスト重視である程度充分な強度を出すために必要な素材と思ったほうが良いですね。

ハイテン鋼のおかげで安価に入門バイクを作ることができています。

 

雑誌やWebで良く見られる記事では、鉄フレームの美点を過大評価されているように感じることがあります。

では、実際に鉄フレームに乗った際に本当にその違いを感じる人がどのくらいいるのでしょうか?

結構先入観で、プラシーボ効果?!なんかもありますよ。

クロモリフレームのウィップや伸びについても、安い4130フレームではあまり感じないものもありますし、高級フレームでも肉薄で軽量なものは数年乗ったらやれて反発力が落ちて安いフレームと違いが分からなくなるものもあります。

アルミは硬いってのも、レース用のクロカンバイクなどの中には肉薄チュービングでウィップ且つ反応の良いフレームもありますから一概には言えないです。(こちらも旬で使える期間は短い。)

 

昔からトレイルバイクに乗っている人は、1.95~2.1インチ幅位の今となっては細目のタイヤでエアー圧も高めで乗られていたと思うので、比較的その感覚を感じられていたかもしれません。

ダートジャンプやトラックレース系の人は、やはりジャンプの着地の衝撃時の角の取れた当たりや、二漕ぎ三漕ぎで速度が乗ってくる感じが好きな人もいると思います。

最近の流行?のように、タイヤ幅2.3~2.4インチ、あるいはセミファットのような2.8~3.0インチになるとどうでしょう?

フレームのしなりよりも、タイヤのエアボリュームや空気圧の違いによる乗り味の変化の方がはるかに大きなはずです。

2.1インチほどのタイヤでも、空気圧を2気圧以下と3気圧では全く違いますよね。

細目のタイヤだと、2気圧以下ではタイヤ自体のタメが出て乗り心地も良くなりますが、パンクリスクは高くなります。

セミファットのタイヤでは、チューブレス化もあり、1気圧辺りでもパンクのリスクは少なく乗り心地良もくなります。

 

※私は2.3~2.4インチ幅で1.4~1.6気圧位でガレでリム打ちしないギリギリのあたりを狙っています。(^-^)

 

フレームの乗り味を感じる方は、鉄フレームでセミファットだとより快適になるのでお気に入りって方と、タイヤもボヨンボヨンでフレームまで柔らかいとだるく感じるからいやって方にわかれると思います。

もし、乗ってその違いを感じない方は、鉄フレームでなくても良いと思いますので、お好きな素材のフレームにお乗りください。

もちろん、見た目大事なので、スチールフレームの細身なパイピングに惚れたって方は、それだけで鉄フレームを選ぶ価値はあると思います。

 

まぁ、鉄フレームだからといって先入観は持たずに、見た目も含めてお気に入りのマウンテンバイクを購入、相棒にして頂ければと思います。

 

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初・中級者向け? フルサス MTB リア サスペンション セッティング 【保存版】

今回はMTBフルサスペンションバイクに装備されているリアサスペンションのセッティングについて紹介したいと思います。

 

今回もほぼ初心者向け?となりますので、中、上級者の方には物足りない内容になるかと思いますが、初心者の方にサスペンションの調整に興味を持っていただきたいため、よろしくお願いします。

 

リアサスペンションのセッティングは、フロントサスペンションとのバランスも重要になりますので、以前の記事 ”初心者向け? MTB リア サスペンション セッティング 【保存版】” も参考にして頂ければと思います。

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リアサスペンションに使われているユニットは、フロントサスペンション同様にエアースプリングタイプとコイルスプリングタイプに大別されます。

 

特徴としては

コイルユニット

・重量が重い。

・体重が合わないとコイルスプリングを自分の体重に合ったものと交換が必要。

・動きがリニアで路面追従性が良い。

 

エアーユニット

・重量が軽い。

・エアー圧調整で細かく調整できる。

・コイルユニットに比べて動き出しの反応がやや鈍く、作動感がやや淡白。

 

現在は年々改善されており、高級モデル程、この両者のメリット、デメリットは払拭されつつありますが、廉価版ユニットはまだまだこんなイメージですね。

 

基本的なサスペンション調整の手順は、フロントサスペンションと同様ですが、注意が必要な点がいくつかあります。

 

フロントサスペンションの場合、フォークのストローク量=サスペンションストロークなのですが、リアサスペンションの場合殆どのフレームでリンク比が生じます。

直押しのモノもありますが、大抵はリンクプレートが仲介してリアユニットを作動するようになっています。

リンク比は2:1~3:1くらいが多いかと思います。

 

例えば、150mm(約6インチ)ストロークのサスペンション設計でリアユニットのスッとローク量が50mm(約2インチ)であれば、リンク比は3:1となります。

 

フロントに比べて、リアユニットは50mmの作動量の中で150mmストロークの処理を行わなければならないため、サスペンションユニットにとってはある意味フロント以上に負担の多い部分でもあります。 

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それに加えて、フレームのサスペンション形式も様々で、昔からあるシングルピボット形式から、最近復活してきたホルストリンク、VPP、マエストロ、DWリンクなど、マルチリンクと呼ばれる、リンクを介してサスペンションの軌跡をコントロールし、ペダリングロスをなくすといった、複雑なシステム多くなっています。

これは、サスペンションユニットの性質だけでなく、フレーム自体のサスペンション設計によってもある程度バイクの動きの性格付けがされているということです。

そのため、サグ出しは必ずフレームメーカーの推奨値でセッティングしましょう。

その上で、好みに調整していくのはアリだと思います。

一般的にはサグは20%前後。

下り志向が強く、ストローク量が大きいフレームではサグが多めになります。

 

※一例としてGIANTのマエストロは推奨サグ値は25%~30%となっています。

サグが少ないと、ペダリングロスが少なくなりそうな気がしますが、マルチリンクの場合きちんといいところに収まっていないと、サスペンションの美味しいところが生かせなくなって結果的にサスシステムのメリットが十分に得られなくなってしまいます。

 

【調整箇所】 

①プリロード

コイルスプリング式のフォークの場合、フロント同様プリロードダイヤルを絞めこむことで、初期のスプリングの動き出しを調整します。

リアの場合はコイルスプリングを固定しているプレート部分を回転して調整になります。

大体1回転で1mmスプリングを縮めます。

絞めこむと初期の動き出しの反発が強くなるため、反応が良くなりますがスプリングが硬くなるわけではないので、2~3回転ほどでサグが出なければ自分の体重にあったスプリングに交換が必要になります。

※良くプリロードをたくさんかけて、硬くなったから大丈夫!っていわれる方がいらっしゃいますが、初期の動き出しが硬くなっただけで、スプリングレートは変わっていないので初期の硬さから後の動きは元のスプリングのままです。

プリロードかけた分だけスプリングのストローク量は短くなっており、底突きもしやすくなっているので、体重に合っていないスプリングで無理なプリロードでの使用はお勧めしません。

 

②スプリング

コイルスプリング仕様の場合、サグを測定して自分の体重に合っていなければ交換が必要になります。

大体体重70kg前後を想定したものが標準で装着されています。

必要に応じて、50ポンド単位でスプリングが用意されているので交換します。

メーカー、フォークによって用意されているものは変わります。

 

③エアー圧

コイルスプリングの代わりにエアー圧力でスプリングの役割をします。

エアースプリング仕様の場合、コイルスプリングの代わりにエアー圧力でスプリングの役割をします。

ユニットによっても推奨エアー圧は変わるので、ユニット&フレームのマニュアル等参考にして希望のサグ値になるよう、エアーサス専用ポンプでエアー圧を調整します。

コイルスプリングと違って、エアーだけで幅広く調整できるのが魅力です。

長期間使用で自然にエアー圧は下がってくるので時々確認が必要です。

 

④リバウンド

サスペンションが衝撃を受け、沈み込んだ後、戻る速度を調整します。

早すぎるとサスペンションの反応は良くなりますが、トレイルなどダート走行では落ち着かずギャップで跳ねやすくなります。

遅すぎるとフォークの動きが重く感じ、連続する衝撃にサスペンションの動きが追い付かず、短いストロークのフォークで処理しているよう硬く感じます。

ユニットによってダイヤルが最弱から最強までが20クリック位有ったり、クリック感が無くダイヤル可動域が90度位のものなどまちまちです。

分からないときは、リバウンド解放から全調整幅の1/3~1/4ほどかけて乗ってみてから調整を始めてみてください。

他の調整もそうですが、1クリックずつとか変えても中々体感できません。

ふり幅を大きく変えてその間を取っていく方がわかりやすく調整できます。

 

最近は、高級機種だとリバウンドも高速側、低速側別々に調整できるものもありますが、今回は複雑になるので解説しません。

イメージ的には、高速側は強い突き上げやフルストロークなど、ユニットが速い速度で作動した時の戻る速度の調整です。

低速側はペダリングなどのゆっくりした動きでサスペンションが沈み込む動作の際の戻る速度の調整です。

 

⑤コンプレッション

こちらはコイルスプリングやエアースプリングが衝撃を受けるときに、オイルダンパーでスプリングの手助けをする機能の調整です。

強くかけると、同じエアー圧でもサスペンションが硬く感じます。(正確には、減衰が強くかかり縮む速度が遅くなるので硬く感じる。)

弱いと、反応良く動きやすいが、ふわふわ落着きがなく感じます。

コンプレッション調整が付いていないユニットもありますが、最近のユニットはある程度使用想定されるコンプレッションにプリセット設定されているので問題ありません。

短いストロークのフレームでコンプレッションかける場面としては、普段トレイル用のセッティングで、比較的フラットなコースやパンプトラックのようなプッシュが必要な場面。

プッシュが入れやすくなったり、ペダリングのボビングの影響を受けにくくなります。

長めのストロークのフレーム場合、サグを多めにとると、浮わ付き多くなりますが、コンプレッションをかけると沈み込みの速度が遅くなり安定するため、バイク自体も安定して乗りやすくなります。

かけすぎると、突き上げを感じるようになったりするのでほどほどに。

コンプレッション調整は、まず適正なサグが出ていることが前提なので、コンプレッションかけなくても乗って不満が無ければ、いじらなくても良いと思います。

 

コンプレッション調整も、高級機種だと、高速側、低速側別々に調整できるものもありますが、今回は複雑になるので解説しません。

イメージ的には、高速側は強い突き上げやフルストロークなど、ユニットが速い速度で作動した時の減衰速度の調整です。

低速側はペダリングなどのゆっくりした動きでサスペンションが沈み込む動作の際の減衰速度の調整です。

 

 

【リアサスペンション調整の手順】

 

①体重、使用にあったサグになるようエアー圧やプリロードを調整する

トレイルやオールマウンテンバイクならサグ20~25%前後から始める。

※フレームに推奨サグがある場合はまず推奨サグから調整を始める。

 

②リバウンド調整。

リバウンド調整域の1/3~1/4位から始める。

 

③コンプレッション調整。(調整機能があるユニットのみ)

まずはコンプレッションかけずに乗ってみる。

浮わ付きボビング(ペダリングによる沈み込み)が気になるようなら少しづつかけてみる。

適正サグでも路面のギャップで突っ張ったり、硬く感じるようなら弱める。

 

以上、まず適正サグが出ている上でリバウンド調整。

これだけで、十分気持ちよく乗れます。

その上で必要に応じてコンプレッション調整する感じです。

コンプレッション調整はスプリングの動きを制限する機能なので、先にコンプレッションいじったりすると、何が基準かわからなくなってしまいます。

 

【フロントサスペンションとのバランス調整】

・調整は必ずフロントとリアは別々に行います(同時に変更するとどちらが原因かわからなくなるため。)

・サグはフロントと同じかリアが多めにするとバランスが良く、リアが多い方が安定感は良くなります。(半面反応は悪くなります。)

・リバウンドもリアが多めの方が安定します。(多すぎると戻りが追い付かず乗り心地が硬く感じますが、それでもリバウンド速すぎてリアが弾かれるよりも車体姿勢は乱れにくくなり安全性は上です。)

 

以上が、ある程度バイク任せでも乗り心地良く且つ安定性も良くなるセッティングとなります。

慣れてくれば常用速度域も上がり、リバウンド速めにしてコンプレッションかけめで、バイクを振り回した方が楽しいって思うかもしれませんが、最初は楽しく乗れる、極力恐怖感を持たないセッティングで馴れる事、楽しむことを優先したほうが良いと思います。

馴れにかかる時間は個人差もありますし、最終的なライディングスタイルも人それぞれなので、他の人と全く同じセッティングと言う事はまずありません。

自分が楽しく乗れるセッティングを色々試してみましょう~。(#^.^#)

 

私は最近フルサス乗ってませんが、Slopestyleバイクはコンプレッションかけてハードテイルっぽく、オールマウンテンバイクはサグ25パーセントくらいで乗ってました。

マルチリンクサスは、サグ多めでもリンクの働きで1G’付近のボビングが抑えられているものが多いので軽い走行感と安定感が両立されているものが多いようですよ。

 

www.holeshotgogo.com

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【GIANT / CONTROL MINI SHOCK 0】オススメ MTB用 デジタルエアーサスポンプ

最近のMTBのサスペンションは、エアーサスが主流になっています。

魅力は軽量であることと、エアー調整で自分の体重や好みに部品交換無しで変更できること。

コイルスプリングだと体重に合わせてスプリングを交換しないといけないし、交換も大体50ポンド刻みで、それ以上細かく刻んで交換できません。

エアサスのエアー調整するためには、専用の高圧ポンプが必要になります。

大体サスペンションメーカーから純正ポンプが発売されていますが、用品メーカからもいろいろ出ています。

そんな中で私がお気に入りなのがこちら。

【GIANT / CONTROL MINI SHOCK 0】

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なんでかと言うと、ゲージがデジタルタイプなのに、6500円(税抜き)ですよ。(^^♪

 

私も以前は、WrenchforceやRockshox製のエアーサスポンプ使っていました。

リアユニットの調整の場合は、フレームのトラベル量に対してのレバー比もあり、3~5PSIずつくらいのエアー圧調整でも良かったので、通常のアナログゲージでも問題なかったのですが、フロントフォークの場合、セッティングを詰めていくと0.5~1PSIでもフィーリングの違いを感じることもあります。

その時アナログゲージだと、針の位置が微妙で(自分の老眼が進んでいるのも理由ですが)、毎回同じエアー圧にするのにちょっと手間取ることがありました。

 

デジタルゲージだと0.5PSI単位で表示されるので、調整が非常にやりやすいのです。

 

【主な特徴】

●高圧に耐えるアルミニウム製ボディ
●0.1PSI / 0.01BAR単位で精確に空気圧を表示するデジタルゲージ
●空気圧の微調整を容易にする減圧ボタン
●力を入れやすく、指を挟むことがないTハンドル
●バルブへ確実に接続可能な2ステージバルブ
●延長バルブヘッドで、フォークやリアショックのバルブをストレス無く取り付け可能。空気入れが効率的に
●最大充填気圧:400PSI

 

サイズも長さ32㎝とコンパクトですし、スイベルバルブになっているので、エアーを入れた後、バルブを抜く際にもエアー漏れを最小限にとどめることができます。

まぁ、各部の仕上げは価格なりの部分はありますが、実用本位で考えれば価格以上の価値は十分にあります。

エアーサスモデルにお乗りの方には是非お勧めです~。

 

 

 

  

【ギザプロダクツ UL-Q3 】スッキリ シンプル 実用的 サイクルスタンド 着けてみた。

前回のタイヤ交換のついでに、ポタリングにはスタンドがあったほうが便利だと思いいサイドスタンドも着けてみました。

製品は【ギザプロダク製 UL-Q3 アジャスタブル サイドスタンド】

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実は以前にもGIANT製のクイック一体式のモノも着けてみたことあるんですが、いかんせん重量が超ヘビーなバイクなため固定力が弱く安定しない為、すぐ壊れちゃったんですよね。(;^ω^)

普通のハードテイルだったら凡用スタンドでも良いのですが、ディスクブレーキ仕様やフルサスの場合、使えないものも多く今回も選択肢は少なかったのですが、これ中々優れものですよ。

お値段も市場価格で2000円前後とお手頃です。

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肝になるのはこのパーツ(アルミ スペーサー)で、リアエンドのドロップ部分にぴったりはまることでガタつきなくスタンドを固定することができます。

今回はフレームのエンド部分の塗装が厚いのか、きつすぎてこのパーツが入らなかったのでパーツをヤスリで少し削ってから取り付けています。

逆に隙間がある場合は付属のイモネジでガタを多少調節ができます。

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簡単な取り付け説明書もついてます。

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取り付けるとこんな感じです。

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凡用スタンドのようにでっかいステーが付かず、ごちゃごちゃしないのでスッキリして見えます。

このバイクでしっかり立てられるので、軽めのバイクなら全く問題ないかと思います。

ただ、マウント部含めアルミパーツが大半なので、体重などバイク以上の重さをかけると曲がってしまう可能性はあります。

あくまでバイクだけを立てるスタンドとして使用しましょう。

あと、スタンド側のネジで角度も多少調整できますし、スタンドの脚のアジャスターをクルクル回せば26~29インチまで対応するので、MTBからクロスバイク、ロードでも使用可能だと思います。

惜しいのは、現在対応しているのが9mmアクスル(5mmクイックシャフト)のみってことですね。

最近は、MTBはもちろん、ロードバイクでもスルーアクスル化が進んでますし、アダプターで10mmや12mmスルーアクスルにも対応していただければ、より使用できるバイクが増えるのですが。。。

 

この辺は、ぜひメーカーさんよろしくお願いいたします。<m(__)m>

 

 

 

 

初・中級者向け? MTB フロント サスペンションフォーク セッティング 【保存版】

今回は、マウンテンバイクのフロント サスペンションフォークのセッティングについて説明したいと思います。

今回もほぼ初心者向け?となりますので、中、上級者の方には物足りない内容になるかと思いますが、初心者の方にサスペンションの調整に興味を持っていただきたいため、よろしくお願いします。

 

ご存知のように、MTBは山の中や色んな地形でも走破できるようにサスペンションが装備されていますが、路面のショックを吸収し、車体を安定させることが役目です。

(昔のMTBや、トライアルバイクやシングルスピードバイク等ついていないものもありますが、今回はスルーでお願いします。)

現在では、リアにもサスペンションが付いたフルサスモデルが多くなり、さらに走破性、快適性が良くなっています。

 

今回はまず、ハードテイルにもついているフロントサスペンションについて解説したいと思います。(リアサスはまた次回・・・)

基本的なセッティング(調整)が出来ているだけで、同じバイクでも全く乗りやすさが変わりますので、是非皆さんトライしてみてくださいね。

 

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さて、サスペンションフォークと言っても、フォーク自体のストローク、動きの質等も異なり、用途によってセッティングは変わってきます。

 

 まず、主なジャンルと推奨サグ値を説明します。

 

※サグ:1G’とも呼ばれますが、自転車に乗った状態でサスペンションが沈み込むストローク量の数値です。(100mmフォークなら10%は10mm)

 

計り方:

・フォクのインナーチューブにタイラップなどを軽く巻きます。(つけっぱなしだと傷がつくので計り終えたらすぐに外してください。ROCKSHOXはラバーリングが付いているのでそちらを使用してください。

・バイクの中心に乗るイメージで、シートには座らずスタンディングポジションを取ります。

・ハンドルには体重がかからないようにそっと手を添えるだけ。あくまでペダルに体重がかかるように。

・この時のフロントフォークの沈み込み量を測ります。(昔からのバイクは一応これが基本)

・最近のバイクはヘッドアングルが寝ていて、フォークのダンピングも強くなっているのでそっと乗るだけではほとんど動かないものもあります。

(この状態でセッティングすると実質柔らかくなりすぎる場合があります。)

・私個人的にはスタンディングで何度か強くストロークさせて、戻ってきたところで計測しています。(好みは130~150mmフォークでサグ23~25%)

 

【使用ジャンルと推奨サグ値】

 

①ダートジャンプ用

ストローク:80~120mm位。

大体100mmで使用されることが多いのですが、Slopestyleなどのビッグジャンンプが多い人は120mm位での使用もあります。

タイトな方向にセッティングしている人ほどストロークは短くなり、ストリート系だとリジッドフォークの使用も多いです。

ただこのジャンルのフォークは、100mmでもフォーク自体もセッティングもハードで、ちょっと押したくらいでは動かないくらいです。

バイクを振り回すときには作動せず、ジャンプの着地の時だけ吸収してくれればよいといったカンジなので、トレイル向きではありません。(セッティング変更で使えるものもありますが。)

※サグ値:10~15%

 

②クロスカントリーレース用

ストローク:80~120mm位。

昔は63mm~80mm辺りが主流ですが、最近はコースの難易度が上がったりと、フォークの性能が良くなりペダリング時の浮わ付きが少なくなったため、120mm位での使用も増えています。

それでも、セッティングは、快適性よりも無駄な動きをしないタイム重視になります。

 ※サグ値:10~20%

 

③トレイル用

ストローク:100~130mm位。

昔はクロカンレース用とあまり変わりませんでしたが、現在はもう少しストロークに余裕なるものが多くなっています。

実際、トレイルでは、クロカンレースコースのように整備された場所ばかりではないので120~130mm位のほうが疲れず楽しめると思います。

 ※サグ値:20%

 

④オールマウンテン用

ストローク:120~160mm位。

こちらも基本的にはトレイルや専用コースなどでの使用となりますが、トレイルバイクよりもさらに下りに強く且つ、登りもこなしたいという現在のMTBのメインとなる欲張りなジャンルです。

最近はフォークの性能が上がり、160mmでも軽くて使えるようになったため、トレイルバイクがロングストローク化してきたイメージですね。

 ※サグ値:20~25%

 

⑤エンデューロ用

ストローク:140~180mm位。

こちらは、オールマウンテンをさらに下りに振ったイメージ。

下り性能はほぼダウンヒルバイクですが、ダウンヒルバイクよりも軽く、登りもこなせるジャンルです。

コースに寄ってはオーバースペックかもしれませんが、初心者の方にはテクニックが無くても安心して下れるメリットがあります。

※フルサスが主流です。

 ※サグ値:20~25%

 

⑥フリーライド用

ストローク:150~180mm位。

最近はあまり聞かなくなりましたが、エンデューロバイクが出てくるまでは、なんとか登れるダウンヒルバイクと言ったイメージで人気がありました。

ダウンヒルバイクよりもコンパクトで丈夫に作っているものが多く、取り回しが良くビッグジャンプやドロップオフでも壊れない頑丈さがウリです。

ただ、その分重さがあるので、現在はエンデューロバイクにその座を譲っている感じですね。

※フルサスが主流です。

 ※サグ値:20~30%

 

⑦ダウンヒルレース用

ストローク:180~200mm位。

こちらは、完全に下りオンリーなジャンルです。

最近は軽量化も進み、多少登れるものもありますが、登りも考えているならエンデューロバイクにしたほうが良いです。

その代わり、ダウンヒルコースでは最速で、ハマると癖になります。(笑)

ただこちらも、普通のトレイルやコースではオーバースペックとなるため、ダウンヒルコース専用と思ったほうが良いです。

※フルサスが主流です。

※サグ値:20~30%

 

では、サスペンションフォークの調整箇所について説明します。

 

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【調整箇所】

 

①プリロード

コイルスプリング式のフォークの場合、プリロードダイヤルを絞めこむことで、初期のスプリングの動き出しを調整します。

大体1回転で1mmスプリングを縮めます。

絞めこむと初期の動き出しの反発が強くなるため、反応が良くなりますがスプリングが硬くなるわけではないので、2~3回転ほどでサグが出なければ自分の体重にあったスプリングに交換が必要になります。

※良くプリロードをたくさんかけて、硬くなったから大丈夫!っていわれる方がいらっしゃいますが、初期の動き出しが硬くなっただけで、スプリングレートは変わっていないので初期の硬さから後の動きは元のスプリングのままです。

プリロードかけた分だけスプリングのストローク量は短くなっており、底突きもしやすくなっているので、体重に合っていないスプリングで無理なプリロードでの使用はお勧めしません。

これはコイルユニットのリアサスペンションでも同じです。

 

②スプリング

コイルスプリング仕様の場合、サグを測定して自分の体重に合っていなければ交換が必要になります。

メーカーによっては複数の硬さのスプリングが付属していることもありますが、大体ミディアムが標準で入っています。(体重70kg前後を想定したもの)

必要に応じて、硬い物から順に、エクストラファーム、ファーム、ミディアム、ソフト、エクストラソフト等用意されていれば交換します。

メーカー、フォークによって用意されているものは変わります。

 

③エアー圧

コイルスプリングの代わりにエアー圧力でスプリングの役割をします。

エアースプリング仕様の場合、コイルスプリングの代わりにエアー圧力でスプリングの役割をします。

フォークによっても推奨エアー圧は変わるので、フォークのマニュアル等参考にして希望のサグ値になるよう、エアーサス専用ポンプでエアー圧を調整します。

コイルスプリングと違って、エアーだけで幅広く調整できるのが魅力です。

長期間使用で自然にエアー圧は下がってくるので時々確認が必要です。

 

④リバウンド

サスペンションが衝撃を受け、沈み込んだ後、戻る速度を調整します。

早すぎるとサスペンションの反応は良くなりますが、トレイルなどダート走行では落ち着かずギャップで跳ねやすくなります。

遅すぎるとフォークの動きが重く感じ、連続する衝撃にサスペンションの動きが追い付かず、短いストロークのフォークで処理しているよう硬く感じます。

フォークによってダイヤルが最弱から最強までが20クリック位有ったり、クリック感が無くダイヤル可動域が90度位のものなどまちまちです。

分からないときは、リバウンド解放から全調整幅の1/3~1/4ほどかけて乗ってみてから調整を始めてみてください。

他の調整もそうですが、1クリックずつとか変えても中々体感できません。

ふり幅を大きく変えてその間を取っていく方がわかりやすく調整できます。

 

最近は、高級機種だとリバウンドも高速側、低速側別々に調整できるものもありますが、今回は複雑になるので解説しません。

イメージ的には、高速側は強い突き上げやフルストロークなど、フォークが速い速度で作動した時の戻る速度の調整です。

低速側はペダリングなどのゆっくりした動きでサスペンションが沈み込む動作の際の戻る速度の調整です。

 

⑤コンプレッション

こちらはコイルスプリングやエアースプリングが衝撃を受けるときに、オイルダンパーでスプリングの手助けをする機能の調整です。

強くかけると、同じエアー圧でもサスペンションが硬く感じます。(正確には、減衰が強くかかり縮む速度が遅くなるので硬く感じる。)

弱いと、反応良く動きやすいが、ふわふわ落着きがなく感じます。

コンプレッション調整が付いていないフォークもありますが、最近のフォークはある程度使用想定されるコンプレッションにプリセット設定されているので問題ありません。

短いフォークでコンプレッションかける場面としては、普段トレイル用のセッティングで、比較的フラットなコースやパンプトラックのようなプッシュが必要な場面。

プッシュが入れやすくなったり、ペダリングのボビングの影響を受けにくくなります。

長めのフォークの場合、サグを多めにとると、浮わ付きやブレーキング時のノーズダイブが多くなりますが、コンプレッションをかけると沈み込みの速度が遅くなり安定するため、バイク自体も安定して乗りやすくなります。

かけすぎると、突き上げを感じるようになったりするのでほどほどに。

コンプレッション調整は、まず適正なサグが出ていることが前提なので、コンプレッションかけなくても乗って不満が無ければ、いじらなくても良いと思います。

 

コンプレッション調整も、高級機種だと、高速側、低速側別々に調整できるものもありますが、今回は複雑になるので解説しません。

イメージ的には、高速側は強い突き上げやフルストロークなど、フォークが速い速度で作動した時の減衰速度の調整です。

低速側はペダリングなどのゆっくりした動きでサスペンションが沈み込む動作の際の減衰速度の調整です。

 

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【フロントサスペンション調整の手順】

 

①体重、使用にあったサグになるようエアー圧やプリロードを調整する

トレイルやオールマウンテンバイクならサグ20%前後から始める。

 

②リバウンド調整。

リバウンド調整域の1/3~1/4位から始める。

 

③コンプレッション調整。(調整機能があるフォークのみ)

まずはコンプレッションかけずに乗ってみる。

浮わ付きやノーズダイブが気になるようなら少しづつかけてみる。

適正サグでも路面のギャップで突っ張ったり、硬く感じるようなら弱める。

 

以上、まず適正サグが出ている上でリバウンド調整。

これだけで、十分気持ちよく乗れます。

その上で必要に応じてコンプレッション調整する感じです。

コンプレッション調整はスプリングの動きを制限する機能なので、先にコンプレッションいじったりすると、何が基準かわからなくなってしまいます。

 

私は今までマニトウやROCKSHOXメインで使ってきましたが、最近のフォークはホントによく出来てて、メーカー推奨セッティングのプリセットの状態でもそこそこ乗れます。

現在、Dartmoor HORNETで使ってるROCKSHOX SEKTORも、150mmストロークを130mmにストロークダウンしてますが、エアー圧89.5PSIでサグ23%(30mm)、リバウンド解放から3クリック、コンプレッション解放(フラットなパンプトラックコースなどでは解放から1クリック)と言った具合で、街乗りからトレイルまでほとんどセッティングは変えずに楽しんでいます。

ガッツリガレ場はキツイですが、そこそこ荒れたトレイルからちょっとしたジャンプ、ドロップのあるコースまで気持ち良く乗れますよ。

適正サグとリバウンドだけちゃんと設定できてれば、あとはオプション的な調整なんで、難しく考えず色々調整してみましょう。

特にエアースプリングモデルは気軽にエアー圧試せるので、調整して乗りやすくしないと勿体ないですよ。

と言う事で、次回はリアサスセッティングか、タイヤエアー圧セッティング辺りを検討しています。(#^.^#) 

 

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初・中級者向け? MTB 購入時に知っておきたい フレーム ジオメトリー サイズ 【保存版】


今回は、フレームのジオメトリーについて解説したいと思います。

一応初心者の方向けに解説しますが、長く乗ってる方も復習的な意味も込めて

今一度振り返ってみるのも良いかと思います。

今回も、基本、恐怖感を減らし、楽しく乗るためのジオメトリー解説です。

レーシング・ポジションを追求するためのモノではありませんので悪しからず。

 

新しい自転車を購入検討して、メーカーのホームページやカタログを眺めてるときって楽しいですよね。

ただ、自転車って、オートバイや自動車と違って、身長や体格、乗り方によってベストサイズが違ってくるんです。

カタログにもお尻の方に、サイズ表やジオメトリーについて有りますが、

「よくわかんない。」ってこと無いですか?

 

※自転車フレームのジオメトリー:フレームを構成する物の形・大きさ・位置関係。

 

まぁ、正直乗ってみるのが一番いいんですが、実際には中々試乗して購入できる車種は限られてますよね。

買ってしまってからでも、パーツ変更で多少の調整はできますが、

そもそも乗り方に合っていなければ後悔することにも成りかねません。

もちろん購入時に、ちゃんとしたショップであれば、的確なアドバイスは頂けると思いますが、ショップによっても得意、不得意なジャンルがありますので、自分のやりたいことが通じるショップを選びましょう。

 

ではまずジオメトリー構成にかかわる各種項目の名称について説明します。

 

①トップチューブ長

②シートチューブ長

③ヘッドチューブ長

④チェーンステー長

⑤BBハイト(BB下がり、BBドロップ)

⑥ヘッドアングル

⑦シートチューブアングル

⑧フォーク長

⑨ホイルベース

⑩フロントセンター

⑪スタンドオーバー・ハイト

⑫リーチ

⑬スタック

 

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①トップチューブ長

・エフェクティブ(水平・ホリゾンタル):ヘッドチューブ上端中心とシートチューブの延長線を水平に結んだ長さ。

・アクチュアル:シートチューブ上側中心とヘッドチューブ上端中心を直接結んだ長さ。

 

基本トップが長ければ安定志向になります。

短ければ、身体の自由度が高くなり、バイクを振ったり、下りで後輪加重しやすくなるので楽になりますが、極端に短いとポジションが窮屈になります。

ロードバイクは、ホリゾンタルでサイズを決めることが多いと思います。

マウンテンバイクは、昔はシートチューブ長で選んでステムで調整することが多かったのですが、最近はジオメトリーが大きく変化してきており、トップチューブを含め、後述する点に注意が必要になってきています。

 

②シートチューブ長

・BBからシートチューブ上端までの長さ。

当然長すぎるとシートが下げられずポジションが出ません。

足着きも悪くなります。

短すぎるとシートが上げられず、適正なシッティングポジションが取れない為、効率的なペダリングが出来ません。

 

③ヘッドチューブ長

・ヘッドチューブに長さ。

短すぎると、背の高い方は、ポジション出すためにコラムスペーサーをたくさん入れないといけなくなる場合があり、剛性も不足気味になります。

長すぎると、背の低い方は、コラムスペーサーやステム交換でもハンドルポジションが下げられ無くなります。

 

④チェーンステー長

・BBからリアホイールの中心(ハブ軸)までの長さ。

短いと、一般的には反応が良くなりフロントアップなどの動作がやりやすくなります。

反面、サイズによっては剛性が上がるため、乗り味が硬くなる場合があります。

長いと、安定志向が強くなり、高速走行でも安心感が出ます。

反面、反応がもっさり感じることもあります。

 

⑤BBハイト(BB下がり、BBドロップ)

・地面からBB(ボトムブラケット)までの高さ。

メーカーによっては、BBドロップ(前後ホイールの中心を結んで線から何ミリ下がっているかの数値)で記載されていることがあります。

高めだと、バイクの反応が良くなりますが、安定性は損なわれます。

低めだと、安定感が増しますが、フロントアップなど動作の反応が鈍くなります。

あと、27.5インチや29インチの自転車はホイールの中心(ハブ軸)位置が26インチよりも高くなるので、安定性を出すためBB下がりは26インチよりも大きくなります。

逆に26インチでも、トライアルバイク等、漕ぐよりもバイクアクションが重要なバイクはBB下がりは少なくなります。

フルサスもサグ(初期沈み込み)のため、ハードテイルよりも少なくなりますね。

 

⑥ヘッドアングル

・地面に対してのヘッドチューブの角度。

この角度で、フロントフォークの角度が決まるため重要。

ヘンドアングルが立つとハンドリングがクイックになり、切れ込みやすくなる。

ヘッドアングルが寝るとハンドリングが安定するが、登りではふらつきやすくなる。

一般的には、クロスカントリーバイクなど、登り重視のバイクは70°~69°位が多かったのですが、最近は高速化やロングストロークフォーク対応等、ジオメトリーの変化が大きく、オールマウンテンバイクでも65°~67°、ダウンヒルバイクは64°等が多くなっています。

 

⑦シートチューブアングル

・地面に対してのシートチューブの角度。

角度が立つと、登りでフロントの抑えが効き、ペダリングもロスが少なくなります。

角度が寝ると、後ろ加重しやすくなり下りで安定しますが、最近はフレーム全体のジオメトリーの変化が多く、角度が立つ傾向にあります。

以前は72°位が一般的で、ホリゾンタルトップチューブ長もシートチューブアングルから想定できたのですが、最近は74°など立ち気味のフレームが増えています。

 

⑧フォーク長

・フロントフォークの長さ。

同じフレームでも、160mmストロークなど、長いフォークを着ければヘッドアングルが寝て、BBハイトが上がります。

80mmストロークなど、短いフォークを装着すればヘッドアングルが立ち、BBハイトが下がります。

フレームごとに想定した長さのフォークがありますので、必ず適合するフォークを装着しましょう。

 

⑨ホイルベース

・前後ホイールの中心(ハブ軸)を結んだ長さ。

長ければ、直進安定性が良くなり、高速走行に強くなりますが。

短ければ、反応が良くタイトなコーナーなどで小回りが利きます。

 

⑩フロントセンター

・ホイールベースからチェーンステー長を引いた、BBからフロントホイールの中心までの長さ。

チェーンステーの長さが短くても、フロントセンターが長ければ、安定感が出たり、チェーンステーが長くてもフロントセンターが短ければ、コントロールしやすかったりと、トップチューブ長も含めたバランスでコントロール性や安定性が変わります。

 

⑪スタンドオーバー・ハイト

・地面からトップチューブ中央付近までの高さ。

トップチューブを跨いだ時のトップチューブの高さです。

高いと、身長の低い人は脚が届かないこともあります。

MTBのようにトップチューブがスローピング(傾斜)しているフレームの場合、Mサイズに比べSサイズの方がトップチューブが短いため、Sサイズに方がMサイズよりもスタンドオーバー・ハイトが高くなっているなんてこともたまにあります。

 

⑫リーチ

・ヘッドチューブの上端中心と、BBから垂直に伸ばした線を水平に結んだ長さ。

・変化しない仮想トップチューブ長のようなものです。

フレームによってシートアングルが違っても、数値が変化しない為現在のフレーム選びでは重要な数値になります。

特に、下り系やアクションライドを楽しむ方は、シートに座らずスタンディングでのバイク操作が重要になります。

自分に合ったこの数値を見つけておけば、フレームの乗り換え時に失敗が少なくなります。

現在のフレームは特殊な形状や、シートチューブアングルが特殊なフレームも増えてきたため、以前からのトップチューブ長やシートチューブ長だけでは判断が難しくなっています。

例えば、シートチューブアングル72°のフレームに対して、74°のフレームだと、シートちゅーびがフロント側に前進しているため、ホリゾンタル・トップチューブ長は20mm近く短くなります。

シートチューブアングル74°のフレームでカタログ値でトップチューブ長が580mmと記載があった場合、72°のフレームと同じ感覚で購入してしまった場合、実際に乗ってみたら72°のフレームホリゾンタル・トップチューブ長の600mm相当のフレームを購入したのと同じになります。

(シートポジションは74°の方が前進しているのでシッティングでは72°のフレームに近いポジションはでます。)

この場合もリーチのデータであれば、数値が同じなら、シートの前後位置の違いはあれ、スタンディングでのポジションは基本変わりません。

 

⑬スタック

・BBから垂直に伸ばした線とヘッドチューブの上端中心を水平に結んだ高さ。

要はヘッドチューブの高さです。

BBから算出するのは、乗車時ペダルに乗った状態でヘッドの高さがどれくらいあるかが必要な数値であるため。

この数値が高いと、身長の低い人はどんなに低いハンドルバーでもポジションが下げられなくなります。

こちらも、自分に必要な数値を把握しておけば、フレームの買い替え時に失敗せずに済みます。

ヘッドチューブ長の長いフレームは要注意です。

 

 

【まとめ】

自転車メーカーのホームページやカタログに記載されているジオメトリー関連の用語について解説してみましたが、いかがだったでしょうか?

今ご自分が乗っているバイクのジオメトリーを確認してみると良いと思います。

自分が乗っていてもっとこうだったらいいのに、と思う数値を次回の購入時に役立てられると思います。

 

実際には、「初心者向け? MTB ハンドルバーセッティング」 でも触れたようにハンドルバーやステム、シートポジションでもある程度調整できますが、基本的なフレームの性質は変えられません。

MTBのここ数年の傾向としては、スペインの自転車ブランドのモンドレイカーの「フォワード・ジオメトリー」に代表されるような「SLACK & LOW」なバイクが流行っています。

要は、ヘッドアングルが寝て、BBハイトが低く安定感重視。

そしてハンドルバーも最近の流行が、ワイドバー&ショートステム(ハンドルバー740mm~780mm位?+ステム30mm位~60mm位)が前提で、その分トップチューブを長くのばしたものです。

フロントフォークも長くヘッドアングルも寝ているため、トップチューブを長くしても前方に前転し辛く、ショートステムとワイドバーで安定感とハンドリングの良さを両立、シートチューブを前進して前荷重しやすくすることで、ステムが短くても登りも抑えが効くようにとつじつまが取れているわけです。

このジオメトリーのメリットとしては、タイヤも27.5インチや29インチになっていることも加えて、とにかく安定感があります。

ライダーが初心者で、前後の荷重移動が下手でも、ある程度バイク任せで何とかなるので、乗り物としては安全性も上がり、正常進化として素晴らしいものです。

 

メーカーとしては、サイズ表で対応身長であれば適正といった案内になるようですが、一つだけご注意を。

MTBメーカーの大半が欧米ブランドです。

適応身長が合っていても、アジア人とは手足の長さが違う・・・てこともあります。

最近の若い方はどんどん高身長で手足も長くなってるので、問題ないかもしれませんが、昭和世代の私は。。。(;^ω^)

 

参考までに、私の場合自分の身長が173cmほどですが、大体どこのメーカーもSサイズかMサイズどちらか迷うくらいのジオメトリーのものが多いのですが、海外ブランドのMTBの場合は、メーカー推奨身長から5cm前後低めでサイズ選びすることにしています。

なので、購入するのは大体Sサイズ。リーチは400mm~420mmの間位です。

(170㎝前後だとメーカー推奨値で440mm位を設定されてるメーカーも多いですね。)

これは私が、ロングライドするわけでもなく、レースに出るわけでもなく、リラックスして乗れて取り回しが良く、チョイノリでも山でも楽しめるバイクを目指しているからなんですが、今のところ失敗していないので良しとしています。(^-^)

勿論、走る場所やライディングスタイルによっても好みは人それぞれです。

今回のフレームジオメトリーの解説が、皆さんのバイク選び時の参考になれば幸いです。

 

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初・中級者向け? MTB ハンドルバー セッティング 【保存版】

今回の内容はMTBを楽しく遊ぶための、私の経験上からのセッティング紹介となります。

主にトレイルからオールマウンテン、エンデューロ系の乗り方でバイクコントロール重視のセッティングになりますが、リラックスポジションになるので、街乗りでも楽になり楽しめますよ。

レースで、より速く、タイムを詰めるための効率的なポジション等を追及されてらっしゃる方は、あまり参考にならないかと思いますので、読みとばしてくださいませ。

 

さて、MTBに限らず、自転車を購入した時って、ショップで渡されたままの状態で乗ってる方って意外と多くないですか?

もちろん、ちゃんとしたショップで購入していれば、ショップのスタッフが身長やバイクサイズに合わせて、ある程度調整してくれていると思いますので、ロードバイクやマウンテンバイク等のスポーツサイクルを始めたばかりの頃は、馴れるまでそのままでも良いとは思いますが、ちょっとした調整でぐーんっと乗りやすくなるので、ぜひハンドルバーポジションを色々試してみる事をお勧めします!

 

※通販や量販店の場合は、意外と・・・?!な場合もあるので注意が必要です。

 

スポーツサイクル車を購入して、最初に行うのはフィッティングやセッティングですが、厳密には色々あります。

 

・そもそも身長やライディングスタイルに対してフレームサイズが合っているか。

・ハンドルバー、ステムのサイズや調整。

・サドルポジションの調整。

・サスペンションの調整。

・ブレーキ調整。

・シフト、ディレイラー調整。

・ペダルの選択、調整。

 

・・・等、他にも有りますが、今回は、特にサイズが合わないとかでなければ、

調整だけなら費用もかからないハンドルバーについて紹介したいと思います。

 

まず、現在自転車に付いているハンドルバーを確認してみましょう。

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自転車のコックピットポジションの調整の中で、今回はハンドル周りに絞って説明します。

①ハンドルバーの角度(標準・立て気味・寝かせ気味)

②ステムの長さ(リーチ)(ステム交換の場合)

③コラムスペーサー(枚数増減でステムの高さを調整)

④ハンドルバーの幅、ライズ、アップスウィープ、バックスウィープ変更(ハンドルバー加工、または交換の場合)

 

実際にはバイクのサイズやジオメトリー、ライディングスタイルや好みによって

数値は変わってきますが、概ね好みのセッティングの方向をつかめるように解説します。

 

①ハンドルバーの角度(標準・立て気味・寝かせ気味)

まず、以下の画像をご覧ください。

(わかりやすくするため実際の使用よりも大きめに角度を変えて撮影しています。)

※ ステム:リーチ 40mm、ハンドルバー:幅 740mm(カット済み) ライズ 1インチ(25.4mm) アップスウィープ 4度 バックスウィープ8度

 

 【標準的な取り付け角度】

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 一般的にはハンドルバーのライズの立ち上がりとヘッドチューブの角度を揃えたくらいが目安と言われています。

○ハンドルの引き、抑え共に癖がなく標準的なセッティング。

私の場合、まずハンドルバーを左右両端を結んだラインが地面と水平になるようにセットします。

そこから多少前後に回転させ、シックリ来るところで固定します。

 

 

【立て気味な取り付け角度】 

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前方に立て気味なセッティングです。(バーエンドが上がり気味)

 

○荒れた路面などでの抑えはやや弱くなりますが、マニュアルやバニーホップなどの

立ての動きはやりやすくなる。

○同じステムでもハンドルバーが前方に出るためリーチが長くなる。

 

 

【寝かせ気味な取り付け角度】

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後方に寝かせ気味なセッティングです。(バーエンドが下がり気味)

 

○荒れた路面での抑えが効く。

○ロングライドでも楽なポジションが取れる。

○フロントアップ系のアクションはやりにくくなる。

○同じステムでもハンドルバーが後方に下がるためリーチが短くなる。

 

以上のように、同じハンドルバーでも「角度を変える」たったこれだけで

フィーリングは全く変わります。

 

②ステムの長さ(リーチ)(ステム交換の場合)

こちらはフレームのジオメトリーにもよるのですが、ハンドルバーだけでは

変えられない部分です。

昔は、フレームサイズのつじつま合わせ的に、身長とフレームサイズで合わせていた感もありましたが、最近はフレームサイズの割にトップチューブが長いバイクが増えてきたため、昔とはちょっと変わって来ました。

フレームサイズとフィッティングについては、またいつか改めるとして

今回は、ステムの長さ(リーチ)について説明します。

ハンドルバーの幅との兼ね合いもありますが、基本以下のようになります。

 

【ステム長 長い】

○安定感が出る。(ロングライド向き)

○ハンドリングが大味になる。

○身体の重心が前方へ寄るためハンドルバーへの荷重が強くなる。

○マニュアルなどアクションが起こしにくくなる。

 

【ステム長 短い】

○不安定になりやすい。

○ハンドリングがクイックになる。

○身体の重心が後方へ寄るためハンドルバーへの荷重が減る。

○マニュアルなどアクションが起こしやすくなる。

 

最近は短めステムが主流です。(35mm~60mm位)

基本、アクションライドや下り系は近めの高め、ロングライドや上り重視は低めの遠目が目安になりますが、ほどほどに・・・

 

 

③コラムスペーサー(枚数増減でステムの高さを調整)

フロントフォークのステアリングコラムに余裕があれば、

ステムの上下にスペーサーが入れられます。

5mm高さが変わるだけでも、ずいぶんポジションやバイクの安定感、アクションの 起こしやすさが変わります。

 

【ステム下コラムスペーサー 多め】

○ハンドルバーが高くなる。(上体が起きる)

○マニュアルなどアクションが起こしやすくなる。

 

【ステム下コラムスペーサー 少なめ】

○ハンドルバーが低くなる。(上体が下がる)

○マニュアルなどアクションが起こしにくくなる。

 

 

④ハンドルバーの幅、ライズ、アップスウィープ、バックスウィープ変更(ハンドルバー加工、または交換の場合)

色々ポジション変えてみてもイマイチしっくり来ないとか、ポジションが出ないってこともあります。

 

フレームサイズのことは置いといて、ハンドルバーで出来る事として・・・

 

【ハンドルバーの幅】

○最近は720~780mm位が主流。(ダウンヒルでは800mmも)

○登りで漕ぎやすかったり、クイックに振りたいときは狭め。

○抑え込み重視は広め。

 

【ライズ】(ハンドルバー中心からの高さ フラットバーはライズ 0)

○最近は0.5インチ(12.7mm)~1.5インチ(約38mm)位が主流。

○登り重視や抑え込みやすいのは低め。

○アクション系や下り重視は高め。

 

【アップスウィープ】(ハンドルバー中央からバーエンドまでの上昇角度)

○最近は4度~5度が主流。

○角度が深い方がバイクを引きやすい。

○角度が浅い方がフロントを抑えやすい。

 

【バックスウィープ】(ハンドルバー中央からバーエンドまでの後退角度)

○最近は7度~9度が主流。

○幅広バーの場合、角度が強い方がリラックスポジションが取りやすい。

○幅広バーの場合、角度が浅い方が肩幅の広い人は抑え込みやすい。

○幅広バーで角度が浅い場合、肩幅が狭い人は手首の角度に違和感を感じることがある。

 

以上の項目は、それぞれが複合的に関係しあってハンドルバーのポジションになっています。

昔は、ハンドルバー幅は広くても700mm程、アップスウィープ:5度 バックスウィープ9度辺りが定番でしたが、最近はフレームジオメトリーが、ロングリーチ(BB~ヘッド上部中心までが長い)になってきたことから、ショートステム&ワイドバーが主流になってきています。

 

最近の製品だと

ANSWER:アップスウィープ:4度 バックスウィープ8度

CHROMAG:アップスウィープ:5度 バックスウィープ8度

RENTHAL:アップスウィープ:5度 バックスウィープ7度

DEITY:アップスウィープ:5度 バックスウィープ9度

等、ですね。

 

 

【まとめ】

ロードバイクやクロスカントリーレーサーのように、シッティングでしっかりポジションを出して乗る乗り方もありだと思います。

ただ、せっかくのマウンテンバイクです。

街でも山の中でも、バイクコントロールを楽しむことで、より楽しくなると思っています。

トレイルで時々、思いっきり腰を引いて、腕が伸び切って上体の自由が効かずにこわばったように下っている方の姿を見かけますが、初めてのトレイルライドで、前転、顔着で怪我したら、恐怖心が植え付けられて楽しめないですよね。(鋼の心臓の方もいますが。)

でも、下りでもリラックス出来る、体の動きの自由度の高いポジションだと、

バイクの前後荷重移動でギャップ越えや、バイクを倒しこんでのコーナリング、

凸凹の下りトレイルやドロップオフ、ジャンプ等、どれも楽しく感じることができるようになります。

やっぱり、マウンテンバイクの楽しさは下りにあると思うので、

登りのペダリング効率は多少妥協しても、下りの恐怖感を減らし、楽しめるセッティングをお勧めします。

より追い込んだセッティングは、それからでも遅くないと思います。

 

平地で乗ったときに、ジャストなハンドルバーの高さよりちょっとだけ高めで、

ふらつかない程度に広め、ステムも、下りで後輪荷重しやすい程度短めのセッティングがお勧めです。

 

私は、身長173cmほどですが、ステム長35mmで、DEITYのバーを760mmにカットして、バイクによってライズを15mmと25.4mmで使い分けています。

登りも、サドルさえペダリングポジションが出れば、のんびり、ペダルクルクル回しながら登れば問題ないですし、下りは上体に余裕があるので、リラックスして

色んなセクションを楽しむ余裕ができます。

(しくじってもリカバリーする余裕ができるので、転倒するリスクや恐怖感が減ります。)

 

長々と書きましたが、皆さんのライディングスタイルに合ったハンドルバーセッティングの参考になれば幸いです。(^^♪

 

フレームのジオメトリーやフィッティングについても書きたいのですが、文章力無いので説明が難しそうですね。

今日は長文になってしまったので、またそのうちに。。。

 

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