BIKE the Way - MTBの楽しみ方 -

趣味の自転車(主にMTB)の楽しみ方を提案するブログです。

初・中級者向け? MTB フロント サスペンションフォーク セッティング 【保存版】

今回は、マウンテンバイクのフロント サスペンションフォークのセッティングについて説明したいと思います。

今回もほぼ初心者向け?となりますので、中、上級者の方には物足りない内容になるかと思いますが、初心者の方にサスペンションの調整に興味を持っていただきたいため、よろしくお願いします。

 

ご存知のように、MTBは山の中や色んな地形でも走破できるようにサスペンションが装備されていますが、路面のショックを吸収し、車体を安定させることが役目です。

(昔のMTBや、トライアルバイクやシングルスピードバイク等ついていないものもありますが、今回はスルーでお願いします。)

現在では、リアにもサスペンションが付いたフルサスモデルが多くなり、さらに走破性、快適性が良くなっています。

 

今回はまず、ハードテイルにもついているフロントサスペンションについて解説したいと思います。(リアサスはまた次回・・・)

基本的なセッティング(調整)が出来ているだけで、同じバイクでも全く乗りやすさが変わりますので、是非皆さんトライしてみてくださいね。

 

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さて、サスペンションフォークと言っても、フォーク自体のストローク、動きの質等も異なり、用途によってセッティングは変わってきます。

 

 まず、主なジャンルと推奨サグ値を説明します。

 

※サグ:1G’とも呼ばれますが、自転車に乗った状態でサスペンションが沈み込むストローク量の数値です。(100mmフォークなら10%は10mm)

 

計り方:

・フォクのインナーチューブにタイラップなどを軽く巻きます。(つけっぱなしだと傷がつくので計り終えたらすぐに外してください。ROCKSHOXはラバーリングが付いているのでそちらを使用してください。

・バイクの中心に乗るイメージで、シートには座らずスタンディングポジションを取ります。

・ハンドルには体重がかからないようにそっと手を添えるだけ。あくまでペダルに体重がかかるように。

・この時のフロントフォークの沈み込み量を測ります。(昔からのバイクは一応これが基本)

・最近のバイクはヘッドアングルが寝ていて、フォークのダンピングも強くなっているのでそっと乗るだけではほとんど動かないものもあります。

(この状態でセッティングすると実質柔らかくなりすぎる場合があります。)

・私個人的にはスタンディングで何度か強くストロークさせて、戻ってきたところで計測しています。(好みは130~150mmフォークでサグ23~25%)

 

【使用ジャンルと推奨サグ値】

 

①ダートジャンプ用

ストローク:80~120mm位。

大体100mmで使用されることが多いのですが、Slopestyleなどのビッグジャンンプが多い人は120mm位での使用もあります。

タイトな方向にセッティングしている人ほどストロークは短くなり、ストリート系だとリジッドフォークの使用も多いです。

ただこのジャンルのフォークは、100mmでもフォーク自体もセッティングもハードで、ちょっと押したくらいでは動かないくらいです。

バイクを振り回すときには作動せず、ジャンプの着地の時だけ吸収してくれればよいといったカンジなので、トレイル向きではありません。(セッティング変更で使えるものもありますが。)

※サグ値:10~15%

 

②クロスカントリーレース用

ストローク:80~120mm位。

昔は63mm~80mm辺りが主流ですが、最近はコースの難易度が上がったりと、フォークの性能が良くなりペダリング時の浮わ付きが少なくなったため、120mm位での使用も増えています。

それでも、セッティングは、快適性よりも無駄な動きをしないタイム重視になります。

 ※サグ値:10~20%

 

③トレイル用

ストローク:100~130mm位。

昔はクロカンレース用とあまり変わりませんでしたが、現在はもう少しストロークに余裕なるものが多くなっています。

実際、トレイルでは、クロカンレースコースのように整備された場所ばかりではないので120~130mm位のほうが疲れず楽しめると思います。

 ※サグ値:20%

 

④オールマウンテン用

ストローク:120~160mm位。

こちらも基本的にはトレイルや専用コースなどでの使用となりますが、トレイルバイクよりもさらに下りに強く且つ、登りもこなしたいという現在のMTBのメインとなる欲張りなジャンルです。

最近はフォークの性能が上がり、160mmでも軽くて使えるようになったため、トレイルバイクがロングストローク化してきたイメージですね。

 ※サグ値:20~25%

 

⑤エンデューロ用

ストローク:140~180mm位。

こちらは、オールマウンテンをさらに下りに振ったイメージ。

下り性能はほぼダウンヒルバイクですが、ダウンヒルバイクよりも軽く、登りもこなせるジャンルです。

コースに寄ってはオーバースペックかもしれませんが、初心者の方にはテクニックが無くても安心して下れるメリットがあります。

※フルサスが主流です。

 ※サグ値:20~25%

 

⑥フリーライド用

ストローク:150~180mm位。

最近はあまり聞かなくなりましたが、エンデューロバイクが出てくるまでは、なんとか登れるダウンヒルバイクと言ったイメージで人気がありました。

ダウンヒルバイクよりもコンパクトで丈夫に作っているものが多く、取り回しが良くビッグジャンプやドロップオフでも壊れない頑丈さがウリです。

ただ、その分重さがあるので、現在はエンデューロバイクにその座を譲っている感じですね。

※フルサスが主流です。

 ※サグ値:20~30%

 

⑦ダウンヒルレース用

ストローク:180~200mm位。

こちらは、完全に下りオンリーなジャンルです。

最近は軽量化も進み、多少登れるものもありますが、登りも考えているならエンデューロバイクにしたほうが良いです。

その代わり、ダウンヒルコースでは最速で、ハマると癖になります。(笑)

ただこちらも、普通のトレイルやコースではオーバースペックとなるため、ダウンヒルコース専用と思ったほうが良いです。

※フルサスが主流です。

※サグ値:20~30%

 

では、サスペンションフォークの調整箇所について説明します。

 

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【調整箇所】

 

①プリロード

コイルスプリング式のフォークの場合、プリロードダイヤルを絞めこむことで、初期のスプリングの動き出しを調整します。

大体1回転で1mmスプリングを縮めます。

絞めこむと初期の動き出しの反発が強くなるため、反応が良くなりますがスプリングが硬くなるわけではないので、2~3回転ほどでサグが出なければ自分の体重にあったスプリングに交換が必要になります。

※良くプリロードをたくさんかけて、硬くなったから大丈夫!っていわれる方がいらっしゃいますが、初期の動き出しが硬くなっただけで、スプリングレートは変わっていないので初期の硬さから後の動きは元のスプリングのままです。

プリロードかけた分だけスプリングのストローク量は短くなっており、底突きもしやすくなっているので、体重に合っていないスプリングで無理なプリロードでの使用はお勧めしません。

これはコイルユニットのリアサスペンションでも同じです。

 

②スプリング

コイルスプリング仕様の場合、サグを測定して自分の体重に合っていなければ交換が必要になります。

メーカーによっては複数の硬さのスプリングが付属していることもありますが、大体ミディアムが標準で入っています。(体重70kg前後を想定したもの)

必要に応じて、硬い物から順に、エクストラファーム、ファーム、ミディアム、ソフト、エクストラソフト等用意されていれば交換します。

メーカー、フォークによって用意されているものは変わります。

 

③エアー圧

コイルスプリングの代わりにエアー圧力でスプリングの役割をします。

エアースプリング仕様の場合、コイルスプリングの代わりにエアー圧力でスプリングの役割をします。

フォークによっても推奨エアー圧は変わるので、フォークのマニュアル等参考にして希望のサグ値になるよう、エアーサス専用ポンプでエアー圧を調整します。

コイルスプリングと違って、エアーだけで幅広く調整できるのが魅力です。

長期間使用で自然にエアー圧は下がってくるので時々確認が必要です。

 

④リバウンド

サスペンションが衝撃を受け、沈み込んだ後、戻る速度を調整します。

早すぎるとサスペンションの反応は良くなりますが、トレイルなどダート走行では落ち着かずギャップで跳ねやすくなります。

遅すぎるとフォークの動きが重く感じ、連続する衝撃にサスペンションの動きが追い付かず、短いストロークのフォークで処理しているよう硬く感じます。

フォークによってダイヤルが最弱から最強までが20クリック位有ったり、クリック感が無くダイヤル可動域が90度位のものなどまちまちです。

分からないときは、リバウンド解放から全調整幅の1/3~1/4ほどかけて乗ってみてから調整を始めてみてください。

他の調整もそうですが、1クリックずつとか変えても中々体感できません。

ふり幅を大きく変えてその間を取っていく方がわかりやすく調整できます。

 

最近は、高級機種だとリバウンドも高速側、低速側別々に調整できるものもありますが、今回は複雑になるので解説しません。

イメージ的には、高速側は強い突き上げやフルストロークなど、フォークが速い速度で作動した時の戻る速度の調整です。

低速側はペダリングなどのゆっくりした動きでサスペンションが沈み込む動作の際の戻る速度の調整です。

 

⑤コンプレッション

こちらはコイルスプリングやエアースプリングが衝撃を受けるときに、オイルダンパーでスプリングの手助けをする機能の調整です。

強くかけると、同じエアー圧でもサスペンションが硬く感じます。(正確には、減衰が強くかかり縮む速度が遅くなるので硬く感じる。)

弱いと、反応良く動きやすいが、ふわふわ落着きがなく感じます。

コンプレッション調整が付いていないフォークもありますが、最近のフォークはある程度使用想定されるコンプレッションにプリセット設定されているので問題ありません。

短いフォークでコンプレッションかける場面としては、普段トレイル用のセッティングで、比較的フラットなコースやパンプトラックのようなプッシュが必要な場面。

プッシュが入れやすくなったり、ペダリングのボビングの影響を受けにくくなります。

長めのフォークの場合、サグを多めにとると、浮わ付きやブレーキング時のノーズダイブが多くなりますが、コンプレッションをかけると沈み込みの速度が遅くなり安定するため、バイク自体も安定して乗りやすくなります。

かけすぎると、突き上げを感じるようになったりするのでほどほどに。

コンプレッション調整は、まず適正なサグが出ていることが前提なので、コンプレッションかけなくても乗って不満が無ければ、いじらなくても良いと思います。

 

コンプレッション調整も、高級機種だと、高速側、低速側別々に調整できるものもありますが、今回は複雑になるので解説しません。

イメージ的には、高速側は強い突き上げやフルストロークなど、フォークが速い速度で作動した時の減衰速度の調整です。

低速側はペダリングなどのゆっくりした動きでサスペンションが沈み込む動作の際の減衰速度の調整です。

 

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【フロントサスペンション調整の手順】

 

①体重、使用にあったサグになるようエアー圧やプリロードを調整する

トレイルやオールマウンテンバイクならサグ20%前後から始める。

 

②リバウンド調整。

リバウンド調整域の1/3~1/4位から始める。

 

③コンプレッション調整。(調整機能があるフォークのみ)

まずはコンプレッションかけずに乗ってみる。

浮わ付きやノーズダイブが気になるようなら少しづつかけてみる。

適正サグでも路面のギャップで突っ張ったり、硬く感じるようなら弱める。

 

以上、まず適正サグが出ている上でリバウンド調整。

これだけで、十分気持ちよく乗れます。

その上で必要に応じてコンプレッション調整する感じです。

コンプレッション調整はスプリングの動きを制限する機能なので、先にコンプレッションいじったりすると、何が基準かわからなくなってしまいます。

 

私は今までマニトウやROCKSHOXメインで使ってきましたが、最近のフォークはホントによく出来てて、メーカー推奨セッティングのプリセットの状態でもそこそこ乗れます。

現在、Dartmoor HORNETで使ってるROCKSHOX SEKTORも、150mmストロークを130mmにストロークダウンしてますが、エアー圧89.5PSIでサグ23%(30mm)、リバウンド解放から3クリック、コンプレッション解放(フラットなパンプトラックコースなどでは解放から1クリック)と言った具合で、街乗りからトレイルまでほとんどセッティングは変えずに楽しんでいます。

ガッツリガレ場はキツイですが、そこそこ荒れたトレイルからちょっとしたジャンプ、ドロップのあるコースまで気持ち良く乗れますよ。

適正サグとリバウンドだけちゃんと設定できてれば、あとはオプション的な調整なんで、難しく考えず色々調整してみましょう。

特にエアースプリングモデルは気軽にエアー圧試せるので、調整して乗りやすくしないと勿体ないですよ。

と言う事で、次回はリアサスセッティングか、タイヤエアー圧セッティング辺りを検討しています。(#^.^#) 

 

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