初・中級者向け? MTB ハンドルバー セッティング 【保存版】
今回の内容はMTBを楽しく遊ぶための、私の経験上からのセッティング紹介となります。
主にトレイルからオールマウンテン、エンデューロ系の乗り方でバイクコントロール重視のセッティングになりますが、リラックスポジションになるので、街乗りでも楽になり楽しめますよ。
レースで、より速く、タイムを詰めるための効率的なポジション等を追及されてらっしゃる方は、あまり参考にならないかと思いますので、読みとばしてくださいませ。
さて、MTBに限らず、自転車を購入した時って、ショップで渡されたままの状態で乗ってる方って意外と多くないですか?
もちろん、ちゃんとしたショップで購入していれば、ショップのスタッフが身長やバイクサイズに合わせて、ある程度調整してくれていると思いますので、ロードバイクやマウンテンバイク等のスポーツサイクルを始めたばかりの頃は、馴れるまでそのままでも良いとは思いますが、ちょっとした調整でぐーんっと乗りやすくなるので、ぜひハンドルバーポジションを色々試してみる事をお勧めします!
※通販や量販店の場合は、意外と・・・?!な場合もあるので注意が必要です。
スポーツサイクル車を購入して、最初に行うのはフィッティングやセッティングですが、厳密には色々あります。
・そもそも身長やライディングスタイルに対してフレームサイズが合っているか。
・ハンドルバー、ステムのサイズや調整。
・サドルポジションの調整。
・サスペンションの調整。
・ブレーキ調整。
・シフト、ディレイラー調整。
・ペダルの選択、調整。
・・・等、他にも有りますが、今回は、特にサイズが合わないとかでなければ、
調整だけなら費用もかからないハンドルバーについて紹介したいと思います。
まず、現在自転車に付いているハンドルバーを確認してみましょう。
自転車のコックピットポジションの調整の中で、今回はハンドル周りに絞って説明します。
①ハンドルバーの角度(標準・立て気味・寝かせ気味)
②ステムの長さ(リーチ)(ステム交換の場合)
③コラムスペーサー(枚数増減でステムの高さを調整)
④ハンドルバーの幅、ライズ、アップスウィープ、バックスウィープ変更(ハンドルバー加工、または交換の場合)
実際にはバイクのサイズやジオメトリー、ライディングスタイルや好みによって
数値は変わってきますが、概ね好みのセッティングの方向をつかめるように解説します。
①ハンドルバーの角度(標準・立て気味・寝かせ気味)
まず、以下の画像をご覧ください。
(わかりやすくするため実際の使用よりも大きめに角度を変えて撮影しています。)
※ ステム:リーチ 40mm、ハンドルバー:幅 740mm(カット済み) ライズ 1インチ(25.4mm) アップスウィープ 4度 バックスウィープ8度
【標準的な取り付け角度】
一般的にはハンドルバーのライズの立ち上がりとヘッドチューブの角度を揃えたくらいが目安と言われています。
○ハンドルの引き、抑え共に癖がなく標準的なセッティング。
私の場合、まずハンドルバーを左右両端を結んだラインが地面と水平になるようにセットします。
そこから多少前後に回転させ、シックリ来るところで固定します。
【立て気味な取り付け角度】
前方に立て気味なセッティングです。(バーエンドが上がり気味)
○荒れた路面などでの抑えはやや弱くなりますが、マニュアルやバニーホップなどの
立ての動きはやりやすくなる。
○同じステムでもハンドルバーが前方に出るためリーチが長くなる。
【寝かせ気味な取り付け角度】
後方に寝かせ気味なセッティングです。(バーエンドが下がり気味)
○荒れた路面での抑えが効く。
○ロングライドでも楽なポジションが取れる。
○フロントアップ系のアクションはやりにくくなる。
○同じステムでもハンドルバーが後方に下がるためリーチが短くなる。
以上のように、同じハンドルバーでも「角度を変える」たったこれだけで
フィーリングは全く変わります。
②ステムの長さ(リーチ)(ステム交換の場合)
こちらはフレームのジオメトリーにもよるのですが、ハンドルバーだけでは
変えられない部分です。
昔は、フレームサイズのつじつま合わせ的に、身長とフレームサイズで合わせていた感もありましたが、最近はフレームサイズの割にトップチューブが長いバイクが増えてきたため、昔とはちょっと変わって来ました。
フレームサイズとフィッティングについては、またいつか改めるとして
今回は、ステムの長さ(リーチ)について説明します。
ハンドルバーの幅との兼ね合いもありますが、基本以下のようになります。
【ステム長 長い】
○安定感が出る。(ロングライド向き)
○ハンドリングが大味になる。
○身体の重心が前方へ寄るためハンドルバーへの荷重が強くなる。
○マニュアルなどアクションが起こしにくくなる。
【ステム長 短い】
○不安定になりやすい。
○ハンドリングがクイックになる。
○身体の重心が後方へ寄るためハンドルバーへの荷重が減る。
○マニュアルなどアクションが起こしやすくなる。
最近は短めステムが主流です。(35mm~60mm位)
基本、アクションライドや下り系は近めの高め、ロングライドや上り重視は低めの遠目が目安になりますが、ほどほどに・・・
③コラムスペーサー(枚数増減でステムの高さを調整)
フロントフォークのステアリングコラムに余裕があれば、
ステムの上下にスペーサーが入れられます。
5mm高さが変わるだけでも、ずいぶんポジションやバイクの安定感、アクションの 起こしやすさが変わります。
【ステム下コラムスペーサー 多め】
○ハンドルバーが高くなる。(上体が起きる)
○マニュアルなどアクションが起こしやすくなる。
【ステム下コラムスペーサー 少なめ】
○ハンドルバーが低くなる。(上体が下がる)
○マニュアルなどアクションが起こしにくくなる。
④ハンドルバーの幅、ライズ、アップスウィープ、バックスウィープ変更(ハンドルバー加工、または交換の場合)
色々ポジション変えてみてもイマイチしっくり来ないとか、ポジションが出ないってこともあります。
フレームサイズのことは置いといて、ハンドルバーで出来る事として・・・
【ハンドルバーの幅】
○最近は720~780mm位が主流。(ダウンヒルでは800mmも)
○登りで漕ぎやすかったり、クイックに振りたいときは狭め。
○抑え込み重視は広め。
【ライズ】(ハンドルバー中心からの高さ フラットバーはライズ 0)
○最近は0.5インチ(12.7mm)~1.5インチ(約38mm)位が主流。
○登り重視や抑え込みやすいのは低め。
○アクション系や下り重視は高め。
【アップスウィープ】(ハンドルバー中央からバーエンドまでの上昇角度)
○最近は4度~5度が主流。
○角度が深い方がバイクを引きやすい。
○角度が浅い方がフロントを抑えやすい。
【バックスウィープ】(ハンドルバー中央からバーエンドまでの後退角度)
○最近は7度~9度が主流。
○幅広バーの場合、角度が強い方がリラックスポジションが取りやすい。
○幅広バーの場合、角度が浅い方が肩幅の広い人は抑え込みやすい。
○幅広バーで角度が浅い場合、肩幅が狭い人は手首の角度に違和感を感じることがある。
以上の項目は、それぞれが複合的に関係しあってハンドルバーのポジションになっています。
昔は、ハンドルバー幅は広くても700mm程、アップスウィープ:5度 バックスウィープ9度辺りが定番でしたが、最近はフレームジオメトリーが、ロングリーチ(BB~ヘッド上部中心までが長い)になってきたことから、ショートステム&ワイドバーが主流になってきています。
最近の製品だと
ANSWER:アップスウィープ:4度 バックスウィープ8度
CHROMAG:アップスウィープ:5度 バックスウィープ8度
RENTHAL:アップスウィープ:5度 バックスウィープ7度
DEITY:アップスウィープ:5度 バックスウィープ9度
等、ですね。
【まとめ】
ロードバイクやクロスカントリーレーサーのように、シッティングでしっかりポジションを出して乗る乗り方もありだと思います。
ただ、せっかくのマウンテンバイクです。
街でも山の中でも、バイクコントロールを楽しむことで、より楽しくなると思っています。
トレイルで時々、思いっきり腰を引いて、腕が伸び切って上体の自由が効かずにこわばったように下っている方の姿を見かけますが、初めてのトレイルライドで、前転、顔着で怪我したら、恐怖心が植え付けられて楽しめないですよね。(鋼の心臓の方もいますが。)
でも、下りでもリラックス出来る、体の動きの自由度の高いポジションだと、
バイクの前後荷重移動でギャップ越えや、バイクを倒しこんでのコーナリング、
凸凹の下りトレイルやドロップオフ、ジャンプ等、どれも楽しく感じることができるようになります。
やっぱり、マウンテンバイクの楽しさは下りにあると思うので、
登りのペダリング効率は多少妥協しても、下りの恐怖感を減らし、楽しめるセッティングをお勧めします。
より追い込んだセッティングは、それからでも遅くないと思います。
平地で乗ったときに、ジャストなハンドルバーの高さよりちょっとだけ高めで、
ふらつかない程度に広め、ステムも、下りで後輪荷重しやすい程度短めのセッティングがお勧めです。
私は、身長173cmほどですが、ステム長35mmで、DEITYのバーを760mmにカットして、バイクによってライズを15mmと25.4mmで使い分けています。
登りも、サドルさえペダリングポジションが出れば、のんびり、ペダルクルクル回しながら登れば問題ないですし、下りは上体に余裕があるので、リラックスして
色んなセクションを楽しむ余裕ができます。
(しくじってもリカバリーする余裕ができるので、転倒するリスクや恐怖感が減ります。)
長々と書きましたが、皆さんのライディングスタイルに合ったハンドルバーセッティングの参考になれば幸いです。(^^♪
フレームのジオメトリーやフィッティングについても書きたいのですが、文章力無いので説明が難しそうですね。
今日は長文になってしまったので、またそのうちに。。。
コスパの高い MTB 用 26インチタイヤ 「IRC MIBRO X 2.4」
久しぶりにMTB用のタイヤを購入したので、紹介したいと思います。
今回購入したのは、コチラ。
「IRC MIBRO X 2.4」
最近のMTBは27.5 & 29インチが主流で、26インチタイヤは入手が難しくなっていますね。
2.1前後のクロスカントリ用や街乗り用は、こだわらなければまだいくらか良いのですが、ちょっと太めの2.2~2.5インチとなると、国内メーカーは生産終了していたり、海外ブランドも現地では販売されていても、国内では輸入代理店が取り扱いしていなくて行きつけのショップや、大手のチェ―ン店でも手に入らなかったり・・・(;^ω^)
コンチネンタルのトレイルキングやマウンテンキング等はかなり良いタイヤですが、海外通販などでないと26インチの2.4なんかは入手できない状態です。(´;ω;`)
そこで、この IRC製 MIBRO X 2.4 なのですが、MTBを取り扱ってる殆どのショップや通販でも現在のところ入手しやすく、メーカー参考価格:¥4,600(税抜)と、比較的安価で販売されているかと思うので、26インチでエアーボリュームの大きな、使えるタイヤとしては非常にコストパフォーマンスが高いと思います。
海外ブランドの高性能に隠れて、実は里山やトレイルパーク遊びではかなり良いタイヤなんですよ。
タイヤ幅 2.25と2.4のラインナップで、通常のMIBROよりもハードな仕様を前提としているタイヤです。
メーカーとしては、2.25はハードテイル用、2.4はフルサス用と推奨しているようで、2.25は耐パンク用にサイドを強化してあるらしく875gで、2.4の770gより重たくなっています。
私の場合、エアーボリュームが欲しいので、ハードテイル、フルサス問わずに2.4を使用していて、サイドはしなやかですが今までサイドカットは無し、通常のチューブ使用で空気圧低圧1.6~2.0で、私の乗り方でなんとかリム打ちパンクしないギリギリですね。(もちろん走行中は、岩場や段差など通過時に抜重はしてますよ。)
実際に取り付けてみると、リム外幅約32㎜(内幅約27mm)で、サイドブロックの一番外側で測定して58mm弱位ですね。
このタイヤ、舗装路でも軽く転がりますし、泥の上でも思った以上にグリップしますが、スティッキーラバーやスローリバウンドのようなペタペタ柔らかいコンパウンドでは無く、ブロックの)形状で転がりの軽さとグリップ感を出しているため、濡れた岩場や雨の舗装路では滑ります。
ただ、2.4だと元々タイヤ幅もあるので、ある程度低圧で使っていれば、いきなりすっ飛ぶことは少ないと思います。
(MTB乗りなら、いつでも滑ることを頭に置いてライドしてますよね?)
あと、このタイヤ回転方向に指定があるのですが、下りメインならリアは逆に組むとより転がりやすくブレーキも効きやすくなりそうです。
指定通り組んでも、十分転がりが軽く、思った以上に登りでも喰い付くので驚きます。笑(´・ω・)
私も今回久しぶりの、3セット目の購入で、お気に入りタイヤなのですが、なんだか前回購入した時より微妙に細くなったように感じるのは、最近まで履いてたタイヤが太かったからなのか・・・(;^ω^)
さて、次回はこのタイヤで走りに行きたいですね~。(^-^)
必見! MTB ハードテイル トレイルライド 動画 特集 (MTB動画)
マウンテンバイクに乗りたくなる気分を盛り上げる動画を集めてみました。
そして、ゲレンデではなく、トレイルと来ればやはり ハードテイルが楽しい!ってことで、ハードテイル限定動画特集です。(^-^)
最後は、日本が誇るハードテイルライダー JINYAさんを一躍有名にした動画で締めくくらせていただきました。
この動画、丁度10年前のモノなんですが、その間に27.5インチや29インチ等いろんな規格のバイクが出てきてますが、本質はいかにバイクと一体となれるか、楽しめるかが大事だってことが良くわかりますね。
さぁ、秋の本格的トレイルシーズンに向け、徐々に気分を盛り上げていきましょう。♬
|
プレイバイクのススメ (MTB ハードテイル)
今日は、どこでも楽しめるプレイバイクの紹介です。
現在のMTBの主流は27.5インチ&29インチ(プラスサイズも含む)のフルサスです。
確かに、路面の凸凹もいなしやすく安定性も高いので、より安全に悪路での走行も可能になっています。
まさにMTBの正常進化と言ってよいでしょう。
その一方で、高性能なバイクに乗せられて操縦技術も未熟なまま高速域での走行している方も多く見られます。
もちろん、バイクの性能でカバーできている範疇であればよいのですが、調子に乗って限界を超えると大きな痛手を負うことにもなるでしょう。
普段フルサスにしか乗っていない方は、ハードテイルや26インチのバイクに乗ってみると、バイクの性能に助けられていることが良くわかります。
もっとトレイルをダイレクトに感じたいとか、バイクコントロールをしっかり身につけたいといった方には、セカンドバイクとしてもプレイバイクをお勧めします。
バイクのバランスポイントが狭く、コントロールも繊細さが必要になるため、低速でも楽しめますし、腕を磨けば、27.5インチや29インチでもさらに余裕を持って乗ることが出来るようになります。
さて、プレイバイクとは・・・
今から十数年前には、プレイバイクも盛り上がっていて、大手メーカーからも安価な完成車が多く販売されていましたが、現在はフレーム売りで、パーツは自分で買いそろえるか、手持ちのモノを流用するといったものが大半になります。(これはこれで楽しいのですが)
プレイバイクの定義 としては、ダートジャンプバイク、スラバイ(スラロームバイク)、ストリートバイク(ストリートトライアルも含む)等、コンパクトでバイクの反応が良く、トリック系やダート走行の練習、遊び用バイクといったところでしょうか。
現在、完成車としては、GT LA BOMBA や、SCOTT VOLTAGE、MONGOOSE FIREBALL といったところが比較的入手しやすいかと思います。
ただ現在は、この手のバイクにしては良いパーツが付いているため、価格も上がってきて、10万円前後と言うのがネック。
MONGOOSEは元々比較的低価格モデルだったのですが、今回2020年モデルで FIREBALL MOTO というモデルをラインナップに加えて販売開始しました。
税込¥57,240(完成車) と、このバイクはかなりコストパフォーマンスが高くお勧めです。
正直、パーツグレードは低いのですが、その分強度重視のリムの採用やフォークのアクスルがクイックではなくボルト締めだったりと、壊れにくいパーツチョイスとなっていることに好感が持てます。
正直、この価格だと、フレームを買ったらパーツが付いてきたといっても良いくらいなので、まず、バイクを乗り倒して、壊れた所からパーツ交換の際、グレードアップしていくのがベターかと思います。
最初から上級パーツが付いた FIREBALL DJ や デイレイラー付きの 通常の FIREBALL もありますし、前述のGT LA BOMBA や、SCOTT VOLTAGEあるので、予算に余裕があればそういった選択もアリだと思います。
ショートトラックやパンプトラック等では、むしろフルサスよりこちらの方が速く楽しいくらいですよ。
そんな楽しいプレイバイク、テクニックを磨く相棒に ぜひいかがですか?!(*´ω`*)
|
MTB ブームの波が来てる?! 最近のトレンドは?
最近の業界系WebやSNS等で、「ロードからMTBへとブームが移行し始めている。」といった話がちょくちょく出るようになってきましたね。
MTB大好きな私にとっては嬉しい話ですが、実際のところどうなんでしょう?
もともと、現在のロードバイクブームは国内特有のモノで、某自転車マンガの影響もあったとか無かったとか。(;^ω^)
海外では以前からMTBは盛り上がっていて、MTBメーカーからは、「何で日本はMTBが売れないんだ!」と言われていたとか。
国内では90年代に一度MTBブームが巻き起こり、90年代後半からは 3回ほどワールドカップも開催されていました。
丁度、00年代にかけてはフルサスの開発、普及が盛んで、メッセンジャーブームも重なり、街乗りもMTBカスタム車が溢れていました。
その後、あのHONDAもワールドカップ参戦して、独自にバイクを開発して販売直前までいったのですが、そのころからMTB人口も減り販売も中止になったという時代です。
それはさておき、そんな最近注目紗され始めている?!最近のMTBのトレンドと言えば。
①タイヤサイズの大径化(27.5インチ、29インチ、セミファット)
②ドロッパ― シートポスト
③電動シフト & ディレイラー
④E-MTB
⑤ナロー/ワイド シングル チェーンリング
⑥ワイドレンジ カセットコグ
⑦スタビライザー or クラッチ 付きディレイラー
⑧フォワー ドジオメトリー
⑨ショート ステム & ワイド バー
⑩油圧 ディスク ブレーキ
⑪チューブレス & タイヤインサート
ちょっと、最近の・・・ッという訳でもないものもありますが、今までにMTBになじみのない方にも知っていただきたいということで上げてみました。
①タイヤサイズの大径化(27.5インチ、29インチ、セミファット)
90年代から00年代初めは、MTBと言えば、26インチがほとんどでした。
その後、Gary Fischer 氏 提唱の29インチがじわじわ増えてましたが、身長の低い人にはポジションが出しにくかったり、ジオメトリーも煮詰められていなかったためなかなか普及しませんでした。
それが、5,6年前から27.5インチ(650B)規格が提唱されると、26インチよりも安定感があり29インチよりも身長が低くても無理のないポジションが取れるということと、メーカーの戦略もあり一気に広まりました。
そこにファットバイクからの影響で2.8~3.0インチ幅の27.5+や29+と言ったセミファットバイクが登場。
セミファットバイクが、タイヤのエアボリュームが多く乗り心地も良く安定性も良いことから、初心者やのんびり走りたい人にも好まれ、急速に普及しています。
初心者向け? MTB タイヤサイズ 26 27.5 29 etc… 【保存版】 - BIKE the Way - 癒し系MTB乗りの日記 -
②ドロッパ― シートポスト
こちらはリモートコントロールでサドルの高さを変えることが出来るシートポストです。
MTBは急な斜面の下りなどもあり、シートを下げるこちがあるのですが、ドロッパーシートポストだと止まってクイックレバーを絞めなおすことなく、瞬時にサドルを下げることが出来るため人気です。
大半はワイヤーをレバーで操作するものですが、油圧制御や電動ワイヤレスなものも登場していますが、高機能なものはシートポストなのに5万円以上も。(^-^;
③電動シフト & ディレイラー
こちらは、ロードも同様ですが、通常ワイヤーで行うシフト操作を電動シフトできるというものです。
長時間ライドなどでは疲労も少なく操作できるのが魅力です。
あと、こういったハイテクフェチな方には着けてるだけで優越感?!
④E-MTB
いわゆる電動アシスト自転車のMTB版ですね。
リフトにないコースなどで自走の登りを楽に下りを楽しめたり、体力が衰えてきた人でもMTBを楽しめるといったメリットがあります。
海外で販売されているものは、国内仕様よりもパワーがあり、もはやモーターサイクル?!と思わせるものもあります。
基本はMTB同様の取り扱いですが、MTB専用コース以外での走行運用については今後議論されていくと思われます。
⑤ナロー/ワイド シングル チェーンリング
こちらは、最近と云う訳でもないのですが、現在主流になっているチェーンリングです。
厚歯と薄歯を交互に配置することによりチェーンの溝に勘合の隙を少なくすることでチェーンリングからチェーン落ちを激減することが出来ます。
⑥ワイドレンジ カセットコグ
ナロー/ワイドチェーンリングのデメリットとしてフロントディレイラーが使用できない為、リアカセットのギアをそれまでのロー側36Tだったのを42Tや50T等大型化し登りに対応、ハイ側も一部10T対応モデルもあります。
⑦スタビライザー or クラッチ 付きディレイラー
シマノとスラムで若干構造は異なりますが、基本的にはリアディレイラーのバタつきを抑えチェーンを暴れないようにしたものです。
この機構の付いたディレイラーとナロー/ワイド チェーンリングの組み合わせで、ハードテイルであれば、ほぼチェーン落ちはしなくなります。(きちんと調整組み付けされていることが前提です。)
⑧フォワー ドジオメトリー
これはモノというよりも、フレームの設計のトレンドですね。
スペインのモンドレイカー社が先駆者になるかと思いますが、従来のフレームジオメトリーよりもトップチューブを長く、シートアングルを立て、ヘッドアングルを寝かせる。
トップチューブが伸びた分ステムを短く、ワイドバーにすることで、ポジションのバランスを取っています。
メリットとしては、前後方向に安定感があり、前後荷重移動をあまりしなくても走れてしまうので、前後荷重移動が苦手な初心者でも恐怖感が少なく楽に速く走れます。
乗り物、機材としては正しい進化ですが、乗って楽しいと感じるかどうかは好みに寄ります。
MTBにはもっとドキドキ感が欲しい!って方もいらっしゃると思いますので。(^-^)
初心者向け? MTB 選びに必須 フレーム ジオメトリー サイズ 解説 【保存版】 - BIKE the Way - 癒し系MTB乗りの日記 -
⑨ショート ステム & ワイド バー
フォワードジオメトリー的なバイクが増えてきたと同時に、増えてきた組み合わせです。
ショートステムだけだとクイックになてしまうハンドリングを、ワイドバーにすることでポジションをコンパクト且つ安定させることが出来ます。
特に下りではワイドバーの安定感は効果絶大。
元々海外ブランドがほとんどなMTBなので、フォワードジオメトリーでなくてもトップチューブが長いフレームが多いため、一般的な手足の短い日本人ライダーにはこの組み合わせは有効です。
ステムは35~50mm位、ハンドルバーは720mm~780mm位が人気です。
初心者向け? MTB ハンドルバー セッティング 【保存版】 - BIKE the Way - 癒し系MTB乗りの日記 -
⑩油圧 ディスク ブレーキ
こちらは、最近でもないのですが、ロードバイクで色々議論されているようなので・・・
MTBで山の中で走行すること前提であれば、油圧ディスクブレーキ一択です。
これは安全且つ疲労軽減と言った面からです。
雨の日でも安定してブレーキが効き、人差し指一本でガッツリ聞くので他の指はハンドルコントロールをしっかり行うことが出来ます。
Vブレーキやワイヤー引きのディスクブレーキだと、減速は指1本でも大丈夫ですが、ストッピングパワーの必要なブレーキングには人差し指+中指が必要なため、ブレーキかけながらのバイク操作はどうしても制限されてしまいますし、山を1本下ってくる段階で腕上りにつながる疲労感も多くなります。
勿論、走るコースやバイクにによって、Vブレーキやワイヤー引きのディスクブレーキでも十分走れますので、この辺は好みと使い分けですね。
⑪チューブレス & タイヤインサート
現在チューブレス対応のホイールやタイヤが多くなり、チューブレス化している方も多いかと思います。
メリットとしては、チューブがないため軽量化できること、リム打ちパンクが無くなる事、タイヤを低圧で使用できるため乗り心地良くグリップも稼げること等々。
現在販売されているチューブレスタイヤの大半は「チューブレス レディ」といった仕様。
これはリム側も同様の仕様であれば、専用リムテープを貼り、チューブレスバルブの取り付け、タイヤ装着時にエアー漏れ防止のタイヤシーラントを入れるというもの。
低圧で使用できるメリットはあるのですが、低圧でガツンと岩に当たったりすると、チューブもないので余計にリムへのダメージが大きいというデメリットもあります。
このため、タイヤインサートと呼ばれる発泡ウレタン?のようなスポンジ的なモノを入れて破損を防いだり、タイヤに腰をだし低圧でも剛性を持たせるようなものも出てきています。
以上、ざっくりですが紹介してみました。
沢山の方にMTBが楽しんでもらえるには、機材だけではなく走る場所が大切なのですが、最近は少しづつMTBコースが増えているようなので、MTB人口が増えることで降り一層そういった施設も増えるとよですね。(^-^)
|
初・中級者向け? ハードテイル派 必見! MTB サスペンション セッティング 【保存版】
今日は、フルサスとは違う、ハードテイルならではの サスペンションセッティングについて 紹介したいと思います。
サスペンションの基本的なセッティングについては、以前の記事 ↓ も参考にしてくださいね。
初心者向け? MTB フロント サスペンションフォーク セッティング 【保存版】 - BIKE the Way - 癒し系MTB乗りの日記 -
初心者向け? MTB リア サスペンション セッティング 【保存版】 - BIKE the Way - 癒し系MTB乗りの日記 -
初心者向け? MTB 選びに必須 フレーム ジオメトリー サイズ 解説 【保存版】 - BIKE the Way - 癒し系MTB乗りの日記 -
フルサスのMTBとハードテイルのMTBの違いと言えば、リアサスペンションの有無ですが、サグを取るとどうでしょう?(サグについては以前の記事をご参照ください。)
フルサスは前後のサスペンションが沈むため、ヘッドアングルは変わらないか、リアの方が柔らかくサグが多ければ、逆にヘッドが寝た状態になります。
ハードテイルはサグを大きくとるほどヘッドアングルが立ってきます。
実走行中も、ダウンヒル中や急ブレーキングで前荷重になった時も、サグさえしっかりとっていれば、フルサスはリアサスが伸び側でまだグリップしてくれるのに対して、ハードテイルはリアの接地感が薄く、浮いた瞬間グリップは0になってしまいます。
このため、実はブレーキもハードテイルのほうが効きにくいのです。
ハードテイルは、サスペンションのセッティングがしっかりできると、コントロールしやすく乗り心地も良くなるのでぜひトライしてくださいね。
さて下の画像を見ていただくと。。。
画像は26インチのダートジャンプバイクベースですが、27.5インチや29インチでも同様で、同じフレームでも フォークが変わるだけで、これくらい見た目の印象も異なります。
気をつけて見て頂きたいのがヘッドアングルとBBハイト(BBドロップ)です。
たまたま取り付けたフォークが115-160mmストローク可変フォークだったのですが、分かりやすく100-130-160mmストロークでの違いを例に比較したいと思います。
【26インチでの参考例】(100~130mm フォーク対応 フレーム)
フォークストーク 100mm ヘッドアングル 69° BBドロップ 10mm
フォークストーク 130mm ヘッドアングル 68° BBドロップ 0mm
フォークストーク 160mm ヘッドアングル 67° BBドロップ -10mm
【27.5インチでの参考例】(120~160mm フォーク対応 フレーム)
フォークストーク 100mm ヘッドアングル 68° BBドロップ 55mm
フォークストーク 130mm ヘッドアングル 67° BBドロップ 45mm
フォークストーク 160mm ヘッドアングル 66° BBドロップ 35mm
サグを20%とった場合
【26インチでの参考例】
フォークストーク 100mm ヘッドアングル 69.8° BBドロップ 23mm
フォークストーク 130mm ヘッドアングル 69° BBドロップ 17mm
フォークストーク 160mm ヘッドアングル 68.3° BBドロップ 11mm
【27.5インチでの参考例】
フォークストーク 100mm ヘッドアングル 68.8° BBドロップ 68mm
フォークストーク 130mm ヘッドアングル 68° BBドロップ 62mm
フォークストーク 160mm ヘッドアングル 67.3° BBドロップ 56mm
サグを30%とった場合
【26インチでの参考例】
フォークストーク 100mm ヘッドアングル 70.2° BBドロップ 30mm
フォークストーク 130mm ヘッドアングル 69.5° BBドロップ 26mm
フォークストーク 160mm ヘッドアングル 68.9° BBドロップ 22mm
【27.5インチでの参考例】
フォークストーク 100mm ヘッドアングル69.2° BBドロップ 75mm
フォークストーク 130mm ヘッドアングル 68.5° BBドロップ 71mm
フォークストーク 160mm ヘッドアングル 67.9° BBドロップ 67mm
以上は、フレームのジオメトリーから見た計算上の数値の変化ですが、注目してもらいたいのが、無負荷の状態と比べると サグが大きくなるほど、100mm-130mm-160mmとストロークの異なるフォーク同志のBBドロップの差が少なくなることです。
100mmフォークで30%サグを取ることは無いと思うので、実際にはこの差はもっと少なくなると思います。
どういうことかというと、ロングストロークに対応したフレームであれば、長めのフォークでサグを多めにとったほうが、安定して且つ、乗り心地も良くなるということです。
長めのフォークを入れるとBBハイトが上がってフラフラすると思っている人もいますが、それはフレームが対応できないほどの長さのフォークか、短いフォークと同様にサグを少なめにとっていることが多いです。(長くMTBに乗ってる方は敢えてこのセッティングを狙って楽しんでる方もいらっしゃいますが・・・)
サグを多めにとるメリットは他にもあります。
ハードテイルでは、リアにサスペンションが付いていないので、リアタイヤがギャップを超える場合振動がそのまま伝わり、入力が大きければ跳ね上げられてしまいます。
この時、フロントフォークのサグが多めにとってあれば、リアタイヤに強い入力があった場合、実はフレームから伝わり、フロントフォークでもリアの突き上げを軽減してくれるのです。
だから、フロントフォークのセッティング次第でリアタイヤの収まりが良くなり、ブレーキの効きも良くなり、バイクの挙動もマイルドになり、乗り心地も良くなるのです。(ここ大事)
ただ、気をつけないといけないのは、フレームに対して短めのフォークでサグを多く取ってしまうと、フォークの底突きはもちろん、ヘッドアングルが立ってしまい、下りでは逆に乗りにくくなってしまうということです。
長めのフォークの余力をバイクの挙動の余裕に使うといったセッティングと言う事ですね。
最近のヘッドアングルが寝た、160mmフォーク辺りまで対応しているフレームであれば概ねこのセッティングで乗りやすくなると思います。
サグは好みで25~30%位がオススメですが、浮わ付きが気になる時は、低速側コンプレッション調整機能が付いているフォークであれば、少しだけかければ気にならなくなります。
また、サグが多めになることで、クイックなレスポンスや動き出しのシャープさが無くなるのが嫌な方は、通常の15~20%ほどのサグで調整されることをお勧めします。
4Xやスラローム、BMXトラックコースやパンプトラック等、路面がスムースなところではサグを多めにとる必要もありません。
あくまで、トレイルや常設コースの下り等、恐怖感無く楽しくマウンテンバイクを楽しむためのセッティングの提案となります。
※タイヤの空気圧もハードテイルでは重要です。
タイヤの腰が残っていて パンクしないギリギリのあたりの空気圧を狙うのがオススメです。
セッティングも奥が深いので、ぜひ色々トライしてみて貴方だけのセッティングを見つけてくださいね。
では、今日はこの辺で。(^-^)
MTB コンポ パーツグレード (シマノ編)
今日から5月。
令和元年始まりました。
令和が、平和で幸多き時代となりますように。
さて、今回はMTBのコンポーネント パーツグレードについて書きたいと思います。
現在のMTBのドライブトレイン、ブレーキ、シフト周り等、総合的にコンポーネントとして発売しているものとしては、シマノとSRAMの2社に絞られると思います。
(一部、BOXや、内装の ローロフ、ピニオン、台湾、中国ブランドのものもありますが今回は省略します。)
SRAMも昔と比べて高性能となり、現在はシマノの牙城を脅かす存在となっていますね。
さて、今回はシマノについてですが、皆さんご存知のようにフラッグシップのXTR、XT、SLX、DEOREまでがクロスカントリーからエンデューロまで対応のグレード。
シマノの魅力は、そのコストパフォーマンス。
海外ではそこそこの価格になるようですが、国内ではとにかく豊富なラインナップとコストパフォーマンス、スモールパーツの安定供給、ほとんどのサイクルショップで購入可能です。
SRAMは取り扱い無いショップもありますが、シマノは小さな自転車屋さんでも、在庫が無くても注文はできます。(最近はネット注文の方が多いかもですが)
【シマノ MTB コンポ グレード】
XTR:フラッグシップらしく最高の素材を投入してコスト度外視で性能追求したもの。
XT:現実的なコストで作られているため重量面や仕上げで若干劣るが機能的な性能としては、XTRに劣らない。
SLX:XTからさらにコストを下げているが、十分重量や強度も考慮されて、これ買っておけば間違いない定番品。
DEORE:本格的オフロード使用の入門用。調整機能などが省かれるが基本性能は十分。
その下位にクロスカントリー/マラソン対応モデルとしてALIVIO、ACERA、ALTUS、TURNEY。
ALIVIO、ACERA、ALTUS、TURNEY:上から順に、コストダウンのために素材がスチールなどの使用率が上がり、重量が重くなるが使用自体は問題ない。耐久性はやや劣るか。
また負荷の大きいグラヴィティ系のダウンヒルやフリーライド対応としてSAINT、ZEEが設定されています。
SAINT:グレードとしてはXT相当で、さらに強度を上げた物。特にブレーキは強力。
ZEE:SAINTの廉価版でグラヴィティ版DEOREだが、ブレーキは強力他パーツも強度重視。
MTBの完成車では、バイクのグレードに応じて同じフレームでもコンポグレードを変えることによって価格を抑え購入できるようになっています。
で、実際のところ、パーツグレードがどれくらい重要かなんですが。。。
ぶっちゃけ、シマノに関しては、どのグレードでもマウンテンバイクとしてきちんと機能して使用できます。(;^ω^)
XTRに関しては、とにかくシマノ製で最高なものが欲しい方にお勧めします。
機能だけで考えると、XTの倍以上かけるならXTで十分かなと。
ALIVIO以下のグレードでも、数年前のDEOREと同じ機能がダウングレードされたものも多く、実用上問題ありませんが、耐久性や互換性などを考えるとDEORE以上がオススメです。
MTBのパーツは、消耗品でもあり、オフロードでの使用でも壊れてしまうこともあるので、完成車にALIVIOが付いていても、壊れたタイミングでDEOREやSLX等にアップグレードでも良いと思います。
確かにXT以上のカチッとした変速フィーリングやブレーキのタッチ、コントロール性等、上位グレードと下位グレードの差は有ります。
趣味の世界なので、そういった官能性能を味わうのもまた魅力ではあります。
しかし、その差が分からない、あるいは気にならないのなら、正直、レースでガチに変速フィーリングやタッチ重視といった使い方でもなければ、SLX以下で十分かと思います。
ダウンヒルレース等、強力なストッピングパワーが必要であれば、確かにSAINTやZEEのブレーキは魅力ですが、普段はトレイルで、たまに常設コースでダウンヒルといった使用であれば、SLXやDeoreに180mm or 203mmローターでも十分対応可能ですし。
良く、下位グレードのブレーキは、カックンブレーキでコントロール幅が狭いといわれますが、あくまで上位グレードと比較しての話で、DEOREなどは、むしろメタルパッドではなくレジンパッドと大径ローターとの組み合わせはよく効いてコントロールもしやすいものです。(実はシマノの場合、ICE TECH ローターに換えるだけでも良く効き、コントロールしやすくなったりします。)
メタルパッドに比べて減りが早いのが玉にキズですが、シマノはパッドも安いので問題ないと思います。
まぁ、ハードに下りオンリーでガツガツ走る方はメタルパッドでどうぞ。
MTBはとかくコストがかかる遊びで、それも普及し辛い原因の一つだと思うのですが、高級パーツ志向に捕らわれず、必要なところに必要なパーツを使い、まずはライディングが楽しめるバイクに仕上げていくことが、長くMTBを楽しめる秘訣だと思います。
案外上手なライダーはパーツに無頓着で、しかも速い、なんてこと多いですよね。
まずはガンガン乗り倒してMTBを楽しみましょう。(これ一番大事)
そして、乗っていて不満に感じたパーツからグレードアップ!で、良いと思います。
MTB 増えすぎた タイヤサイズ 26 27.5 29 セミファット etc… 【保存版】
最近は27.5インチと29インチが主流になりつつあるMTBですが、ファットバイクにセミファットやプラスサイズと言った呼び名で判り辛かったり。。。
というワケで、タイヤサイズについてまとめてみましょう。
あ、それから、タイヤサイズの表記ですが、製品サイズで”27.5×2.3”と言った記載のモノを、便宜上タイヤ幅2.3インチと呼んだりしますが、本来はこの2.3はタイヤ幅ではなく、リムからタイヤトレッド面までの高さ(厚み)を表記しています。
タイヤの断面が円形に近いので、高さと幅の数値も近いため紛らわしいのですが、高さが大きくなればそれにつれて幅も広くなります。
タイヤ自体も、メーカーの考え方によってトレッド面がラウンドしているものや、フラット目でサイドブロックが張り出しているものなどあり、同じ2.3表示でも随分タイヤ幅が違うものがあるのはこのためです。
昔はTIOGAやKENDAは太め、MAXXISやIRCは細目なイメージでした。
最近は専門誌などでもこの辺の記載が?!と思うことがありましたので、補足しておきます。
①26インチ
今となってはオールドスクールになりそうですが、以前は26インチが主流でした。
最近は小柄な人用やダートジャンプバイクでの使用が多くなっています。
27.5インチが主流となったため、ダートジャンプ系以外のタイヤの選択肢も少なくなっています。
高速巡行やギャップの乗り越えについては27.5や29には叶いませんが、最近流行り?のパンプトラックや整備されたコースでは全く劣りません。
むしろ、バイクの上で荷重移動しやすくアクションに対する反応も良いため、バイクコントロールを楽しみたい人にはオススメです。
更にコンパクト且つクイックに楽しみたい人は24インチというマニアックな選択肢もありますが、国内ではほぼ絶滅危惧種ですね。(英国辺りではまだまだ現役)
2.3~2.5幅のタイヤでトレイルを遊ぶととっても楽しいです。
②26インチプラス(26セミファット)
26と同じリムサイズで、2.8~3.0幅のタイヤになります。(リム幅はもちろん広くなっています)
タイヤ外径は27.5に近いためそこそこ転がりますが、27.5ほどではありません。
タイヤのエアーボリュームを生かした乗り心地と転がりで、26のマイナス面をカバーしてとっても楽しいのですが、国内では、SurlyやWTB位で展開が少なく、かなりマニアックなジャンルとなっているのが残念です。
③27.5インチ(650B)
元々は650Bと呼ばれるランドナーの規格だったようですが、27.5インチの呼び名で26インチのカンフル剤的に起用されたサイズで、現在、一番ニュートラルな存在です。
身長もある程度低い人から乗れて、26に比べて安定感もあり、転がりの軽さも実感できます。
29に比べて、よりオールラウンドに使えるサイズになるかと思います。
主流は2.1~2.4幅ですが、フレーム側でチェーンステーに余裕があれば2.6幅のサイズが増えてきたので、セミファットに近い乗り味も楽しめます。
実はこの2.6がセミファットより楽しいのではないかと・・・
④27.5プラス(27.5セミファット)
27.5と同じホイールサイズに2.8~3.0タイヤを組み合わせたもの。(リム幅はもちろん広くなっています。)
こちらもタイヤ外径は29に近くなっており、そのエアーボリュームを生かした乗り心地やグリップ感で人気です。
初心者にも乗りやすく、これからさらに増えていくと思われるジャンルです。
フレームによっては、29インチのタイヤが入れば互換性もあるため29と27.5プラスの両方楽しむことが出来ます。
⑤29インチ
26や27.5に比べて外径が大きいため、漕ぎだしは重いが、ある一定以上の速度が維持できれば楽に高速巡行ができる。
このため、クロスカントリーレースやツーリング向きだが、最近はロングストロークバイクと組み合わせて、その悪路走破性を最大限に発揮すべくダウンヒルバイクにも採用が拡大している。
2.1~2.3幅位が主流ですが、2.6まで入るフレームもあり。
ダウンヒルでは2.5幅前後だが、こちらはタイヤケーシングのしっかりした、より剛性の高い(重い)タイヤでの使用となります。
身長が低い人には、ライディングスタイルによっては辛い場合もあり。
こちらも、フレームによっては、27.5インチプラスのタイヤが入れば29と27.5プラスの両方楽しむことが出来ます。
⑥29インチプラス(29インチセミファット)
29と同じホイールサイズに2.8~3.0タイヤを組み合わせたもの。(リム幅はもちろん広くなっています。)
そのエアーボリュームを生かした乗り心地やグリップ感で人気ですが、その走破性はファットバイクを除くMTBの中で最強かもしれません。
あとはその走破感や安定性が好かどうかですね。
⑦ファットバイク
26インチの超幅広リムに3.8~4.8インチ幅の極太タイヤを履かせたもの。
元々は砂浜や雪上でも走行できるものとしてつくられたマニアックなものでしたが、その圧倒的なエアーボリュームを生かした走行感が面白く、廉価車が量販店でも販売されるほどになりました。
フルサスの超極上バイクもあるようですが、このタイヤボリュームを楽しむことこそ本来の楽しみ方なので、ぜひリジッドバイクで低圧でのボヨンボヨン感を楽しんでほしいと思います。
それぞれに特徴は有りますが、レースが目的でなければ、自分の遊び方に合ったものを選べば良いと思います。
これから始める方には、特に方向性が固まってなくて、身長の問題が無ければ27.5プラスをお勧めします。
一番癖がなく、オールラウンドに使用できます。
そしてどのサイズも、タイヤの空気圧は必ず調整して乗ってみてください。
フレームが硬いとか柔らかいとか以上にタイヤの空気圧での乗り味の変化の方が大きいですよ。
同じタイヤでも空気圧1.0気圧で乗るのと、2.0や3.0で乗るのとでは全くフィーリングが違います。
太いタイヤほど、リム打ちパンクのリスクが低く、低圧で乗れるのでそのエアーボリュームの恩恵を受けることが出来ます。
ファット系バイクだと、舗装路でサイクリング時は3気圧、山では0.8気圧なんて使い方もありだと思います。
私の場合、舗装路でも長距離乗ることがほぼないので、2.3~2.4幅のタイヤで、1.3~1.6気圧程で乗ってます。(体重60kg弱)
これで、山でもガレ場でリム打ちしないでギリギリ位で、タイヤが変形しながらグリップ感もあり乗り心地も良いところですね。
このあたりは、乗り方や好みもあるので色々試して一番のお気に入りセッティングを探ってみてくださいね。