初・中級者向け? MTB ハンドルバー セッティング 【保存版】
今回の内容はMTBを楽しく遊ぶための、私の経験上からのセッティング紹介となります。
主にトレイルからオールマウンテン、エンデューロ系の乗り方でバイクコントロール重視のセッティングになりますが、リラックスポジションになるので、街乗りでも楽になり楽しめますよ。
レースで、より速く、タイムを詰めるための効率的なポジション等を追及されてらっしゃる方は、あまり参考にならないかと思いますので、読みとばしてくださいませ。
さて、MTBに限らず、自転車を購入した時って、ショップで渡されたままの状態で乗ってる方って意外と多くないですか?
もちろん、ちゃんとしたショップで購入していれば、ショップのスタッフが身長やバイクサイズに合わせて、ある程度調整してくれていると思いますので、ロードバイクやマウンテンバイク等のスポーツサイクルを始めたばかりの頃は、馴れるまでそのままでも良いとは思いますが、ちょっとした調整でぐーんっと乗りやすくなるので、ぜひハンドルバーポジションを色々試してみる事をお勧めします!
※通販や量販店の場合は、意外と・・・?!な場合もあるので注意が必要です。
スポーツサイクル車を購入して、最初に行うのはフィッティングやセッティングですが、厳密には色々あります。
・そもそも身長やライディングスタイルに対してフレームサイズが合っているか。
・ハンドルバー、ステムのサイズや調整。
・サドルポジションの調整。
・サスペンションの調整。
・ブレーキ調整。
・シフト、ディレイラー調整。
・ペダルの選択、調整。
・・・等、他にも有りますが、今回は、特にサイズが合わないとかでなければ、
調整だけなら費用もかからないハンドルバーについて紹介したいと思います。
まず、現在自転車に付いているハンドルバーを確認してみましょう。
自転車のコックピットポジションの調整の中で、今回はハンドル周りに絞って説明します。
①ハンドルバーの角度(標準・立て気味・寝かせ気味)
②ステムの長さ(リーチ)(ステム交換の場合)
③コラムスペーサー(枚数増減でステムの高さを調整)
④ハンドルバーの幅、ライズ、アップスウィープ、バックスウィープ変更(ハンドルバー加工、または交換の場合)
実際にはバイクのサイズやジオメトリー、ライディングスタイルや好みによって
数値は変わってきますが、概ね好みのセッティングの方向をつかめるように解説します。
①ハンドルバーの角度(標準・立て気味・寝かせ気味)
まず、以下の画像をご覧ください。
(わかりやすくするため実際の使用よりも大きめに角度を変えて撮影しています。)
※ ステム:リーチ 40mm、ハンドルバー:幅 740mm(カット済み) ライズ 1インチ(25.4mm) アップスウィープ 4度 バックスウィープ8度
【標準的な取り付け角度】
一般的にはハンドルバーのライズの立ち上がりとヘッドチューブの角度を揃えたくらいが目安と言われています。
○ハンドルの引き、抑え共に癖がなく標準的なセッティング。
私の場合、まずハンドルバーを左右両端を結んだラインが地面と水平になるようにセットします。
そこから多少前後に回転させ、シックリ来るところで固定します。
【立て気味な取り付け角度】
前方に立て気味なセッティングです。(バーエンドが上がり気味)
○荒れた路面などでの抑えはやや弱くなりますが、マニュアルやバニーホップなどの
立ての動きはやりやすくなる。
○同じステムでもハンドルバーが前方に出るためリーチが長くなる。
【寝かせ気味な取り付け角度】
後方に寝かせ気味なセッティングです。(バーエンドが下がり気味)
○荒れた路面での抑えが効く。
○ロングライドでも楽なポジションが取れる。
○フロントアップ系のアクションはやりにくくなる。
○同じステムでもハンドルバーが後方に下がるためリーチが短くなる。
以上のように、同じハンドルバーでも「角度を変える」たったこれだけで
フィーリングは全く変わります。
②ステムの長さ(リーチ)(ステム交換の場合)
こちらはフレームのジオメトリーにもよるのですが、ハンドルバーだけでは
変えられない部分です。
昔は、フレームサイズのつじつま合わせ的に、身長とフレームサイズで合わせていた感もありましたが、最近はフレームサイズの割にトップチューブが長いバイクが増えてきたため、昔とはちょっと変わって来ました。
フレームサイズとフィッティングについては、またいつか改めるとして
今回は、ステムの長さ(リーチ)について説明します。
ハンドルバーの幅との兼ね合いもありますが、基本以下のようになります。
【ステム長 長い】
○安定感が出る。(ロングライド向き)
○ハンドリングが大味になる。
○身体の重心が前方へ寄るためハンドルバーへの荷重が強くなる。
○マニュアルなどアクションが起こしにくくなる。
【ステム長 短い】
○不安定になりやすい。
○ハンドリングがクイックになる。
○身体の重心が後方へ寄るためハンドルバーへの荷重が減る。
○マニュアルなどアクションが起こしやすくなる。
最近は短めステムが主流です。(35mm~60mm位)
基本、アクションライドや下り系は近めの高め、ロングライドや上り重視は低めの遠目が目安になりますが、ほどほどに・・・
③コラムスペーサー(枚数増減でステムの高さを調整)
フロントフォークのステアリングコラムに余裕があれば、
ステムの上下にスペーサーが入れられます。
5mm高さが変わるだけでも、ずいぶんポジションやバイクの安定感、アクションの 起こしやすさが変わります。
【ステム下コラムスペーサー 多め】
○ハンドルバーが高くなる。(上体が起きる)
○マニュアルなどアクションが起こしやすくなる。
【ステム下コラムスペーサー 少なめ】
○ハンドルバーが低くなる。(上体が下がる)
○マニュアルなどアクションが起こしにくくなる。
④ハンドルバーの幅、ライズ、アップスウィープ、バックスウィープ変更(ハンドルバー加工、または交換の場合)
色々ポジション変えてみてもイマイチしっくり来ないとか、ポジションが出ないってこともあります。
フレームサイズのことは置いといて、ハンドルバーで出来る事として・・・
【ハンドルバーの幅】
○最近は720~780mm位が主流。(ダウンヒルでは800mmも)
○登りで漕ぎやすかったり、クイックに振りたいときは狭め。
○抑え込み重視は広め。
【ライズ】(ハンドルバー中心からの高さ フラットバーはライズ 0)
○最近は0.5インチ(12.7mm)~1.5インチ(約38mm)位が主流。
○登り重視や抑え込みやすいのは低め。
○アクション系や下り重視は高め。
【アップスウィープ】(ハンドルバー中央からバーエンドまでの上昇角度)
○最近は4度~5度が主流。
○角度が深い方がバイクを引きやすい。
○角度が浅い方がフロントを抑えやすい。
【バックスウィープ】(ハンドルバー中央からバーエンドまでの後退角度)
○最近は7度~9度が主流。
○幅広バーの場合、角度が強い方がリラックスポジションが取りやすい。
○幅広バーの場合、角度が浅い方が肩幅の広い人は抑え込みやすい。
○幅広バーで角度が浅い場合、肩幅が狭い人は手首の角度に違和感を感じることがある。
以上の項目は、それぞれが複合的に関係しあってハンドルバーのポジションになっています。
昔は、ハンドルバー幅は広くても700mm程、アップスウィープ:5度 バックスウィープ9度辺りが定番でしたが、最近はフレームジオメトリーが、ロングリーチ(BB~ヘッド上部中心までが長い)になってきたことから、ショートステム&ワイドバーが主流になってきています。
最近の製品だと
ANSWER:アップスウィープ:4度 バックスウィープ8度
CHROMAG:アップスウィープ:5度 バックスウィープ8度
RENTHAL:アップスウィープ:5度 バックスウィープ7度
DEITY:アップスウィープ:5度 バックスウィープ9度
等、ですね。
【まとめ】
ロードバイクやクロスカントリーレーサーのように、シッティングでしっかりポジションを出して乗る乗り方もありだと思います。
ただ、せっかくのマウンテンバイクです。
街でも山の中でも、バイクコントロールを楽しむことで、より楽しくなると思っています。
トレイルで時々、思いっきり腰を引いて、腕が伸び切って上体の自由が効かずにこわばったように下っている方の姿を見かけますが、初めてのトレイルライドで、前転、顔着で怪我したら、恐怖心が植え付けられて楽しめないですよね。(鋼の心臓の方もいますが。)
でも、下りでもリラックス出来る、体の動きの自由度の高いポジションだと、
バイクの前後荷重移動でギャップ越えや、バイクを倒しこんでのコーナリング、
凸凹の下りトレイルやドロップオフ、ジャンプ等、どれも楽しく感じることができるようになります。
やっぱり、マウンテンバイクの楽しさは下りにあると思うので、
登りのペダリング効率は多少妥協しても、下りの恐怖感を減らし、楽しめるセッティングをお勧めします。
より追い込んだセッティングは、それからでも遅くないと思います。
平地で乗ったときに、ジャストなハンドルバーの高さよりちょっとだけ高めで、
ふらつかない程度に広め、ステムも、下りで後輪荷重しやすい程度短めのセッティングがお勧めです。
私は、身長173cmほどですが、ステム長35mmで、DEITYのバーを760mmにカットして、バイクによってライズを15mmと25.4mmで使い分けています。
登りも、サドルさえペダリングポジションが出れば、のんびり、ペダルクルクル回しながら登れば問題ないですし、下りは上体に余裕があるので、リラックスして
色んなセクションを楽しむ余裕ができます。
(しくじってもリカバリーする余裕ができるので、転倒するリスクや恐怖感が減ります。)
長々と書きましたが、皆さんのライディングスタイルに合ったハンドルバーセッティングの参考になれば幸いです。(^^♪
フレームのジオメトリーやフィッティングについても書きたいのですが、文章力無いので説明が難しそうですね。
今日は長文になってしまったので、またそのうちに。。。