BIKE the Way - MTBの楽しみ方 -

趣味の自転車(主にMTB)の楽しみ方を提案するブログです。

MTB 鉄フレーム の メリット デメリット(スチール クロモリ 等々)

先日、某MTB誌を購入したら、鉄フレームの特集が組まれておりました。

私もぼちぼちクロモリフレームには乗ってきましたが、こちらの雑誌に限らず、ちょっと思うことがあったので投稿します。

 

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大昔のMTBはほぼ鉄フレームでした。

次第にアルミのフレーム製造技術が上がり、軽量でコストも下がったことから現在はアルミフレーム主流となっています。

さらに軽量化を狙った製品は、製造コストがかかりますが、設計の自由度の高さと高級感の演出、差別化からもカーボンが多くなっています。

その一方で、最近というかここ10年位?はまた鉄フレームがじわじわと人気が出てきています。

その要因としては、最初は懐古的なものもあったのかと思いますが、フルサススペックのハイテク化が進み過ぎたその反動もあり、ハードテイルの人気の再燃。

フルサスでも厳しいコースを、ハードテイルで制覇するライディングプレジャーを求め、160mmクラスまで飲み込むようなハードテイルフレームが設計販売され人気を得ることになりました。

現在は、26インチから27.5インチ、29インチ、セミファットとその輪は広がり、フルサスとは別にハードテイルフリークが増えています。

そう、このハードテイルムーブメントが、鉄フレームを改めて見直すきっかけになったのです。

リアにはサスペンションが付いていないので、少しでもリアの衝撃を吸収、逃がしてくれるフレーム。

コストとの折り合いが付く素材として、スチールフレーム(主にクロモリ)が再ブレイクすることとなりました。

最近の代表的なものと言えば、火付け役のCHROMAGProduction PriveeSTANTONでしょうか。

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昔から乗っている人にとっては、鉄フレームは主にトレイルバイクやダートジャンプバイク。

 

鉄フレームのメリットとしては、

・アルミやカーボンに比べ、柔軟性があり疲れにくい。

・ペダリングの際、適度なしなり、ウィップがあり、上手く合えばより進む。

・耐衝撃性、耐久性が高く長く乗れる。

 

デメリットとしては、

・アルミやカーボンに比べ、重量が重い

・スタートなどの一発目のかかりはアルミやカーボンに劣る。

・整備、保管状態によっては錆びやすい。

 

・・・などが良く上げられているのではないでしょうか。

 

一般的な鉄フレームの特徴としては、その通りだと思います。

 

鉄と言っても、

・クロモリ(クロームモリブデン鋼:代表的な普及モノは4130)

・タンゲやコロンバスなどの有名ブランド系

・一般ママチャリや入門MTBなどに使われるハイテン鋼

 

・・・など色々です。

4130系は基本鉄の中では柔らかく反発力も特に高いわけではないので、同じ強度を出すためには肉厚を厚めにしているため重くなりやすいが。比較的安価なのが魅力です。

タンゲやコロンバス、カイセイ等は、実際にはさらに細かく性格の違ったチューブを揃えていて、硬く肉薄で反発力の強いレース向きのモノや、アルミの配合量の多いサビに強いタイプのものなどもあります。

 

ハイテン鋼はコスト重視である程度充分な強度を出すために必要な素材と思ったほうが良いですね。

ハイテン鋼のおかげで安価に入門バイクを作ることができています。

 

雑誌やWebで良く見られる記事では、鉄フレームの美点を過大評価されているように感じることがあります。

では、実際に鉄フレームに乗った際に本当にその違いを感じる人がどのくらいいるのでしょうか?

結構先入観で、プラシーボ効果?!なんかもありますよ。

クロモリフレームのウィップや伸びについても、安い4130フレームではあまり感じないものもありますし、高級フレームでも肉薄で軽量なものは数年乗ったらやれて反発力が落ちて安いフレームと違いが分からなくなるものもあります。

アルミは硬いってのも、レース用のクロカンバイクなどの中には肉薄チュービングでウィップ且つ反応の良いフレームもありますから一概には言えないです。(こちらも旬で使える期間は短い。)

 

昔からトレイルバイクに乗っている人は、1.95~2.1インチ幅位の今となっては細目のタイヤでエアー圧も高めで乗られていたと思うので、比較的その感覚を感じられていたかもしれません。

ダートジャンプやトラックレース系の人は、やはりジャンプの着地の衝撃時の角の取れた当たりや、二漕ぎ三漕ぎで速度が乗ってくる感じが好きな人もいると思います。

最近の流行?のように、タイヤ幅2.3~2.4インチ、あるいはセミファットのような2.8~3.0インチになるとどうでしょう?

フレームのしなりよりも、タイヤのエアボリュームや空気圧の違いによる乗り味の変化の方がはるかに大きなはずです。

2.1インチほどのタイヤでも、空気圧を2気圧以下と3気圧では全く違いますよね。

細目のタイヤだと、2気圧以下ではタイヤ自体のタメが出て乗り心地も良くなりますが、パンクリスクは高くなります。

セミファットのタイヤでは、チューブレス化もあり、1気圧辺りでもパンクのリスクは少なく乗り心地良もくなります。

 

※私は2.3~2.4インチ幅で1.4~1.6気圧位でガレでリム打ちしないギリギリのあたりを狙っています。(^-^)

 

フレームの乗り味を感じる方は、鉄フレームでセミファットだとより快適になるのでお気に入りって方と、タイヤもボヨンボヨンでフレームまで柔らかいとだるく感じるからいやって方にわかれると思います。

もし、乗ってその違いを感じない方は、鉄フレームでなくても良いと思いますので、お好きな素材のフレームにお乗りください。

もちろん、見た目大事なので、スチールフレームの細身なパイピングに惚れたって方は、それだけで鉄フレームを選ぶ価値はあると思います。

 

まぁ、鉄フレームだからといって先入観は持たずに、見た目も含めてお気に入りのマウンテンバイクを購入、相棒にして頂ければと思います。

 

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