初・中級者向け? ハードテイル派 必見! MTB サスペンション セッティング 【保存版】
今日は、フルサスとは違う、ハードテイルならではの サスペンションセッティングについて 紹介したいと思います。
サスペンションの基本的なセッティングについては、以前の記事 ↓ も参考にしてくださいね。
初心者向け? MTB フロント サスペンションフォーク セッティング 【保存版】 - BIKE the Way - 癒し系MTB乗りの日記 -
初心者向け? MTB リア サスペンション セッティング 【保存版】 - BIKE the Way - 癒し系MTB乗りの日記 -
初心者向け? MTB 選びに必須 フレーム ジオメトリー サイズ 解説 【保存版】 - BIKE the Way - 癒し系MTB乗りの日記 -
フルサスのMTBとハードテイルのMTBの違いと言えば、リアサスペンションの有無ですが、サグを取るとどうでしょう?(サグについては以前の記事をご参照ください。)
フルサスは前後のサスペンションが沈むため、ヘッドアングルは変わらないか、リアの方が柔らかくサグが多ければ、逆にヘッドが寝た状態になります。
ハードテイルはサグを大きくとるほどヘッドアングルが立ってきます。
実走行中も、ダウンヒル中や急ブレーキングで前荷重になった時も、サグさえしっかりとっていれば、フルサスはリアサスが伸び側でまだグリップしてくれるのに対して、ハードテイルはリアの接地感が薄く、浮いた瞬間グリップは0になってしまいます。
このため、実はブレーキもハードテイルのほうが効きにくいのです。
ハードテイルは、サスペンションのセッティングがしっかりできると、コントロールしやすく乗り心地も良くなるのでぜひトライしてくださいね。
さて下の画像を見ていただくと。。。
画像は26インチのダートジャンプバイクベースですが、27.5インチや29インチでも同様で、同じフレームでも フォークが変わるだけで、これくらい見た目の印象も異なります。
気をつけて見て頂きたいのがヘッドアングルとBBハイト(BBドロップ)です。
たまたま取り付けたフォークが115-160mmストローク可変フォークだったのですが、分かりやすく100-130-160mmストロークでの違いを例に比較したいと思います。
【26インチでの参考例】(100~130mm フォーク対応 フレーム)
フォークストーク 100mm ヘッドアングル 69° BBドロップ 10mm
フォークストーク 130mm ヘッドアングル 68° BBドロップ 0mm
フォークストーク 160mm ヘッドアングル 67° BBドロップ -10mm
【27.5インチでの参考例】(120~160mm フォーク対応 フレーム)
フォークストーク 100mm ヘッドアングル 68° BBドロップ 55mm
フォークストーク 130mm ヘッドアングル 67° BBドロップ 45mm
フォークストーク 160mm ヘッドアングル 66° BBドロップ 35mm
サグを20%とった場合
【26インチでの参考例】
フォークストーク 100mm ヘッドアングル 69.8° BBドロップ 23mm
フォークストーク 130mm ヘッドアングル 69° BBドロップ 17mm
フォークストーク 160mm ヘッドアングル 68.3° BBドロップ 11mm
【27.5インチでの参考例】
フォークストーク 100mm ヘッドアングル 68.8° BBドロップ 68mm
フォークストーク 130mm ヘッドアングル 68° BBドロップ 62mm
フォークストーク 160mm ヘッドアングル 67.3° BBドロップ 56mm
サグを30%とった場合
【26インチでの参考例】
フォークストーク 100mm ヘッドアングル 70.2° BBドロップ 30mm
フォークストーク 130mm ヘッドアングル 69.5° BBドロップ 26mm
フォークストーク 160mm ヘッドアングル 68.9° BBドロップ 22mm
【27.5インチでの参考例】
フォークストーク 100mm ヘッドアングル69.2° BBドロップ 75mm
フォークストーク 130mm ヘッドアングル 68.5° BBドロップ 71mm
フォークストーク 160mm ヘッドアングル 67.9° BBドロップ 67mm
以上は、フレームのジオメトリーから見た計算上の数値の変化ですが、注目してもらいたいのが、無負荷の状態と比べると サグが大きくなるほど、100mm-130mm-160mmとストロークの異なるフォーク同志のBBドロップの差が少なくなることです。
100mmフォークで30%サグを取ることは無いと思うので、実際にはこの差はもっと少なくなると思います。
どういうことかというと、ロングストロークに対応したフレームであれば、長めのフォークでサグを多めにとったほうが、安定して且つ、乗り心地も良くなるということです。
長めのフォークを入れるとBBハイトが上がってフラフラすると思っている人もいますが、それはフレームが対応できないほどの長さのフォークか、短いフォークと同様にサグを少なめにとっていることが多いです。(長くMTBに乗ってる方は敢えてこのセッティングを狙って楽しんでる方もいらっしゃいますが・・・)
サグを多めにとるメリットは他にもあります。
ハードテイルでは、リアにサスペンションが付いていないので、リアタイヤがギャップを超える場合振動がそのまま伝わり、入力が大きければ跳ね上げられてしまいます。
この時、フロントフォークのサグが多めにとってあれば、リアタイヤに強い入力があった場合、実はフレームから伝わり、フロントフォークでもリアの突き上げを軽減してくれるのです。
だから、フロントフォークのセッティング次第でリアタイヤの収まりが良くなり、ブレーキの効きも良くなり、バイクの挙動もマイルドになり、乗り心地も良くなるのです。(ここ大事)
ただ、気をつけないといけないのは、フレームに対して短めのフォークでサグを多く取ってしまうと、フォークの底突きはもちろん、ヘッドアングルが立ってしまい、下りでは逆に乗りにくくなってしまうということです。
長めのフォークの余力をバイクの挙動の余裕に使うといったセッティングと言う事ですね。
最近のヘッドアングルが寝た、160mmフォーク辺りまで対応しているフレームであれば概ねこのセッティングで乗りやすくなると思います。
サグは好みで25~30%位がオススメですが、浮わ付きが気になる時は、低速側コンプレッション調整機能が付いているフォークであれば、少しだけかければ気にならなくなります。
また、サグが多めになることで、クイックなレスポンスや動き出しのシャープさが無くなるのが嫌な方は、通常の15~20%ほどのサグで調整されることをお勧めします。
4Xやスラローム、BMXトラックコースやパンプトラック等、路面がスムースなところではサグを多めにとる必要もありません。
あくまで、トレイルや常設コースの下り等、恐怖感無く楽しくマウンテンバイクを楽しむためのセッティングの提案となります。
※タイヤの空気圧もハードテイルでは重要です。
タイヤの腰が残っていて パンクしないギリギリのあたりの空気圧を狙うのがオススメです。
セッティングも奥が深いので、ぜひ色々トライしてみて貴方だけのセッティングを見つけてくださいね。
では、今日はこの辺で。(^-^)